出版社内容情報
〈真理とは何か〉を問うことは〈存在とは何か〉を問うことでもある。『存在と時間』の真理論を精密に読み解き,ハイデガーの切り拓いた哲学的地平を明らかにする。
内容説明
“真理とは何か”は哲学の根本問題であるが、ハイデガーにおいては“存在とは何か”という問いと不可分の問題構造をなし、『存在と時間』はその全体が同時に真理論でもある。「真理が存在するかぎりでのみ、存在はある」、「存在と真理の等根源性」等の命題はじめ、「存在了解」の解明から「根源的かつ自己本来的真理」への道を辿るハイデガー真理論の、構図と問題性、その現象学的方法を検討する。“非真理”の問題にも踏み込んだ、精緻な内在的研究を通して、ハイデガー真理論の切り拓いた哲学的次元の意義を考察。
目次
第1章 言表と配慮の真理(言表(判断)の真理
言表の構造
言表と解釈 ほか)
第2章 開示性としての真理(現存在の開示性;頽落的開示性;方法論的考察 ほか)
第3章 時間性と真理(関心と時間性;時間性と歴史性;内時間性と通俗的時間概念 ほか)
第4章 再願と考察