叢書・ウニベルシタス
正常と病理 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588140389
  • NDC分類 490.1
  • Cコード C1310

出版社内容情報

医学の基礎をなす認識論上の問題を哲学・心理学・生物学・社会学等の広範な視野から検討し,生命科学の意味を根底から問う。科学批判の認識論の立場から生命科学の根本問題を問いなおし、生命を物理・化学現象に解消させる機械論を徹底的に批判しつつ、正常と病理の概念を「生命に内在する規範」をもとに定義しなおして、現代医学・生命科学はもとより、科学哲学に新たな展望をひらく。エピステモロジーの古典的名著にしてフランス現代思想のオリジンとして必読書!

??緒言



? 正常と病理に関するいくつかの問題についての試論(1943年)

  第二版の序

  序論

 第一章 病理的状態は、正常な状態の量的変化にすぎないか?

  ? 問題への導入

  ? オーギュスト・コントおよび《プルセの原理》

  ? クロード・ベルナールおよび実験病理学

  ? ルリッシュの考え

  ? 理論の意味

 第二章 正常と病理の科学は存在するか?

  ? 問題への導入

  ? いくつかの概念の批判的検討

    ――正常と病理および病気、正常なものと事件的なもの

  ? 規範と平均

  ? 病気、回復、健康

  ? 生理学と病理学

  結論



? 正常と病理に関する新考(1963年―1966年)

  二十年後

  社会的なものから生命的なものへ

  人間の有機的規範について

  病理学における新しい概念――《誤謬》

  結語



  原註

  訳註

  訳者あとがき

  人名牽引

  文献目録

  参考文献一覧

ジョルジュ・カンギレム[カンギレム ジョルジュ]
(Georges Canguilhem)
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年死去。邦訳書に、本書『正常と病理』、『生命の認識』、『反射概念の形成』、『科学史・科学哲学研究』、『生命科学の歴史』(以上、法政大学出版局)がある。

滝沢 武久[タキザワ タケヒサ]
1931年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。電気通信大学教授、大妻女子大学教授を経て、電気通信大学名誉教授。2015年死去。著書に、『知能指数』(中公新書)、『認知発達の心理学』(白水社)、『子どもの思考力』(岩波新書)、『子どもの思考と認知発達』(大日本図書)、訳書に、ピアジェ『心理学と認識論』(誠信書房)、ピアジェ『思考の誕生』(朝日出版社)などがある。

目次

1 正常と病理に関するいくつかの問題についての試論(一九四三年)(病理的状態は、正常な状態の量的変化にすぎないか?;正常と病理の科学は存在するか?)
2 正常と病理に関する新考(一九六三年‐一九六六年)(二十年後…;社会的なものから生命的なものへ;人間の有機的規範について;病理学における新しい概念―“誤謬”;結語)

著者等紹介

カンギレム,ジョルジュ[カンギレム,ジョルジュ] [Canguilhem,Georges]
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年死去

滝沢武久[タキザワタケヒサ]
1931年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。電気通信大学教授、大妻女子大学教授を経て、電気通信大学名誉教授。2015年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nranjen

4
図書館本。ミシェル・フーコーの師として名高い著者。医学、生理学、病理学においてその前提となる「病」というものの定義のあり方そのものにメスを入れている。1943年の博士論文が元になっている本らしく、当時の博士論文の重みをひしひしと感じさせる。この議論が成立した時代自体ものも非常に興味深い。2021/03/26

ポカホンタス

3
以前から気になっていた本だが、医学史を勉強して、そもそも医学ってなんだろう、哲学者による医学論ではなく医師による医学論はないか、と探していたらこの本に出会った。カンギレムは哲学者だが、医学に興味を持ち、自ら医学部教育を受けた人なので、医学についての考え方がリアルである。正常と異常の区別と、健康と病気の区別とは原理が全く違うという指摘には大いに納得できた。統計的な健康概念に対抗して生命の規範としての健康概念を提示しているのにも拍手を送りたい。2019/02/06

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