目次
序論 想像力と動性
飛行の夢
翼の詩学
想像的墜落
ロベール・ドズワィユの業績
ニーチェと昇行の心象
青空
星座
雲
星雲
大気の樹木
風
声なき朗誦
文学的イメージ
運動学的哲学と力動的哲学
著者等紹介
バシュラール,ガストン[バシュラール,ガストン] [Bachelard,Gaston]
1884‐1962。フランスのバール=シュル=オーブに生まれる。故郷の高等中学を卒業後、電報局職員などをしながら独学。ソルボンヌ大学で数学の学士号をとり、1919年から母校の物理・化学の教師となる。22年、哲学教授資格試験に合格。27年、学位論文『近似的認識試論』により文学博士となり、ディジョン大学文学部教授をつとめる。40年、ソルボンヌ大学で科学史・科学哲学の教授となる。物理学、化学、心理学、精神分析、哲学の諸成果を幅ひろく吸収して、科学とポエジーを統一的に捉える独自のエピステモロジーを構築
宇佐見英治[ウサミエイジ]
1918年生まれる。東京大学文学部卒業。明治大学名誉教授。2002年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
元型的な四元素に集約される物質的想像力を提起した『水と夢』終盤にはスウィンバーンとゲーテの詩における「荒れ狂う水」という想像力の動き自体が新たに示された。本書は四元素の一つである空(気)をテーマとし、イメージの動きを力動的想像力と名付けて、イメージがただあるのではなく方向性を持つことに注目した。空は共感としての上昇という垂直的方向をイメージとして持つとし、人の最深部にある内面性を上昇しようとする傾向として捉えたロベール・ドスワイユの仮説を援用して、ニーチェ『ツァラトゥストラ』のイメージの垂直性を分析する。2024/11/03