震える物語

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  • サイズ B6判/ページ数 128p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588130151
  • NDC分類 954
  • Cコード C0097

出版社内容情報

高速道路,砂漠,廃墟,車,セックス,文法,民族……,哲学者による〈物語〉と画家の〈コラージュ〉が奇妙に絡み合って描き出す巨大な帝国〈アメリカ〉の寓話。

内容説明

高速道路、砂漠、車、セックス、地震、文法、民族…。現代画家の“コラージュ”と哲学者の“物語”がお互い伝達不能に見えながらも奇妙に組み合わさって、読解を拒む巨大な“帝国”、寓意としての“アメリカ”を描き出す。

著者等紹介

リオタール,ジャン=フランソワ[リオタール,ジャンフランソワ][Lyotard,Jean‐Francois]
1924年、ヴェルサイユに生まれる。現象学とマルクス(そして後にフロイト)を思想的源泉とし、それらの批判的再検討を通じて政治、経済、哲学、美学など多方面にわたる理論的・実践的活動を展開し、20世紀後半のフランスを代表する思想家・哲学者として広く知られている。パリ(第八)大学教授を経て、国際哲学学院長等をつとめた。『現象学』を著したのち、アルジェリアでマルクス主義の内部批判グループ「社会主義か野蛮か」に参加、戦闘的マルクス主義者として実践活動に従う。グループの内部分裂を機にパリに戻り、マルクス研究に精力的に取り組む。68年の五月革命に積極的に身を投じ、その体験のなかから、彼の思想的総決算ともいうべき『ディスクール、フィギュール』および『マルクスとフロイトからの漂流』を著して思想的跳躍の基盤を固め、さらに『リビドー経済』によって独自の哲学を構築した。70年代、客員教授としてアメリカ合衆国西海岸に滞在。巨大国家の“辺境”で触れた時空の感触が、哲学書とはやや趣の異る『震える物語』(ジャック・モノリと共著)、『太平洋の壁』の執筆を促した。1998年4月死去

モノリ,ジャック[モノリ,ジャック][Monory,Jacques]
1934年パリ生まれのフランスの画家。抽象から出発し、1960年代のポープアートの影響を受けてネオ・リアリズムの旗手のひとりとなる。映画のストップ・モーションを思わせる手法で、シリーズ絵画を制作。その画面は、しばしば凄惨な行為や大参事を撮ったスナップ・ショットのように見えるが、それは本物の写真が担うような意味や感情の伝達を目指さない。人の手による、逆説的で、完璧に無機質な再現である。「殺人」(68)、「ヴェルヴェット・ジャングル」(69)、「カタストロフ」(76)、「凍ったオペラ」(76)、「テクニカラー」(77)、「空・星雲・銀河」(78‐81)など、いずれも孤独とコミュニケーションの不可能という、この画家の強迫観念の色合いを強く帯びたシリーズ作品がある。「震える物語」(77)の原画(コラージュ)は、77年パリ、ド・ラルコス画廊で展示された

山縣直子[ヤマガタナオコ]
1947年生まれ。京都大学大学院博士課程修了(仏文学専攻)。甲南女子大学非常勤講師
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