内容説明
ベール周辺の寛容をめぐる政治・神学論争を集成する本書下巻には、ジュリュー、ジャクロ、フィリポ、ソーラン、バルベラックらの文書を収める。巻末にはこれら著者・思想家たちの人物紹介に加え、フランク・ピュオーによる解説書『十七世紀における「寛容」のフランス人先駆者たち』を併録し、ひとつの時代の思想的全体像を浮かび上がらせる。訳者のライフワーク、十七世紀思想史の到達点。
目次
ピエール・ジュリュー―ソッツィーニ主義一覧
イザーク・ジャクロ―『ソッツィーニ主義一覧』についての意見(一六九〇年)
ジャック・フィリポ―寛容の正しい限界
エリ・ソーラン―良心の権利についての考察
ジャン・バルベラック(プーフェンドルフ『自然法・万民法』の仏訳に付した「訳者序文」―抄(一七〇六年)
『教父道徳論』―抄(一七二八年))
解説 フランク・ピュオー―『十七世紀における「寛容」のフランス人先駆者たち』(一八八一年)
著者等紹介
野沢協[ノザワキョウ]
1930年鎌倉市に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学教授。駒沢大学教授を務める。主な訳書:P.アザール『ヨーロッパ精神の危機』(第9回クローデル賞)、A.リシュタンベルジェ『十八世紀社会主義』(第19回日本翻訳文化賞)、『ピエール・ベール著作集全8巻・補巻1』(全巻個人訳、第2回日仏翻訳文学賞・第34回日本翻訳文化賞)(以上の翻訳書は、法政大学出版局刊)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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