叢書・ウニベルシタス
聖と俗―宗教的なるものの本質について (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588099762
  • NDC分類 161
  • Cコード C1314

目次

序言(聖なるものはみずから顕われる;ふた通りの「世界のなかに在ること」 ほか)
第1章 聖なる空間と世界の浄化(空間の均質性と聖体示現;神体示現と徴表 ほか)
第2章 聖なる時間と神話(俗なる時間持続と聖なる時間;templum(寺院)―tempus(時間) ほか)
第3章 自然の神聖と宇宙的宗教(天の神聖と天上の神々;遥かなる神 ほか)
第4章 人間の生存と生命の浄化(“世界に開かれた”生存;生の浄化 ほか)
付録 宗教学の歴史

著者等紹介

エリアーデ,ミルチャ[エリアーデ,ミルチャ] [Eliade,Mircea]
ルーマニアの世界的な宗教学・宗教史学者。1907年首都ブクレシュティ(ブカレスト)に陸軍将校を父として生まれる。ブクレシュティ大学でナエ・ヨネスクを師に哲学を学ぶ。1927、28年イタリアに留学。また29‐31年インドに留学しこの研究生活を通じて宗教学・宗教史学者としての彼の方向が決定づけられる。帰国後33年から母校で哲学を講義、38‐42年パリで宗教学研究誌『ザルモクシス』を刊行。40年ロンドンのルーマニア文化アタッシェに任命される

風間敏夫[カザマトシオ]
1924年東京に生まれる。1947年東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。1994年法政大学教授退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんやん

28
聖と俗を対立軸に、宇宙開闢の中心と均質な空間、回帰する時間と歴史、更に諸宗教に共通する天・地・水・樹木の象徴性、人体(ミクロコスモス)と宇宙のアナロジー、通過儀礼などについて論じるのだが、気の乗らない読書になってしまった。ジョーゼフ・キャンベルの神話論(英雄)と基本的な考え方が同じで、様々な宗教(儀式など)に共通する原型を探ってゆく、これが自分にはあまり刺激的でなくて。このような原型も又普遍的な図式であろうが、差異に着目するレヴィ=ストロースの構造(知の体系)とは似て非なるものだと考えている。2022/09/26

roughfractus02

7
シュライエルマッハー以来、聖俗は宗教の主要概念になったが、宗教から聖を一般化して説明するという批判も多い。エラノス会議の出席者オットー、ティリッヒ、著者はその代表と見なされる。冒頭から聖を空間化し、俗から聖へ「浄化」の方向を与える本書では、説明することで聖から宗教への方向を宗教から聖へと逆転する。確かに、二章で聖に時間を与え、三章で「神聖」へと読み替え、四章で人間一般への「浄化」に及ぶ手続きは、一般化を強化する過程でもある。一方、このような一般化には、それに留まらない聖を示唆する役割があるようにも思える。2021/07/09

Masatoshi Oyu

6
宗教的なるものの本質は、聖なるもの、といえるかもしれない。宗教的人間は世界あるいは自らの周囲の空間を聖なるものと感じ、神々とできるだけ近いところに住まおうとする。周期的にめぐる星空や季節に誕生、死、再生と世界の創造を感じ取り、それらを再現する儀礼をとおして再生し、より完全な人間になっていく。2019/10/07

singoito2

3
コンパクトで構成も順序だっているので分かりやすい。宗教的人間にとって世界と自己は何で「あり」、非宗教的人間にとって何で「ない」のかを神話を生きることを例にとって具体的に語りながら哲学(形而上学、存在論)の入口まで連れて行ってくれる。訳者後書きの東洋思想概説も読み応えあり。ただし、半世紀前の製版そのままなので「蔵されて」とか「命旦夕」とか、今時の若い人にはなじみにくい日本語が多いかもね。でも、お奨めですヨ!2021/05/07

氷月

2
俗な空間は中性的均質的である。宗教的人間の空間には絶対的な実在たる聖体の示現によってカオスの中に一つの絶対的な<固定点>が出現し、世界は存在論的に創建され、現実に生きる見当づけの可能性が与えられる。俗な時間は単に流れ去る時間、聖なる時間は諸祝祭において回復される<一連の永遠>で、閉じた円環をなす。宗教的人間は自然の相の中に<超自然>を見出す。現代人がその大部分を失ったもの。2021/06/09

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