目次
第1部 報酬反対論(スキナー箱に入れられて―行動主義の遺産;報酬を与えるのは正しいか;報酬は効果があるか ほか)
第2部 報酬の現実(業績給―行動主義は職場でなぜ効果がないか;学習へのエサ―行動主義は学校でなぜ効果がないか;アメで釣って行儀よく―行動主義はなぜよい人間を作れないか)
第3部 報酬を超えて(うれしいな、月曜日だ―職場における動機づけのもと;勉強に熱中させる―学校におけるやる気のもと;アメをもらわなくても、よい子に)
著者等紹介
コーン,アルフィ[コーン,アルフィ][Kohn,Alfie]
ブラウン大学、シカゴ大学でトレーニングをうけ、「ザ・アトランティック」、「ザ・ネーション」、「サイコロジー・トゥディ」、「ニューヨーク・タイムズ」などの新聞や雑誌に寄稿し、教育のみならず人間行動の全体をカバーする社会理論について論じる評論家として活躍している。タフト大学やフィリップス・アカデミーの客員講師も勤めた。アメリカ心理学会賞を受賞
田中英史[タナカヒデブミ]
1938年、長野県に生まれる。1967年、東京教育大学大学院博士課程単位取得退学。大妻女子大学名誉教授。専攻、英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIZUHITO
7
小学生の時、読書感想文を書きコンクールで大きな賞を貰った。祖母についての本の読書感想文だったので、祖母は喜んだ。対して母は祖母に嫉妬し貶めた。校長は全校集会で自分を誉め、同級生は「調子に乗りやがって」と貶めた。読書感想文が嫌になった。次の年からどんなに催促されても書かなかった。何年も経って読書メーターを始めるまで読書感想文への苦手意識は続いた。愚痴になったけど、「報酬や罰が、行為への興味と内的動機を歪め、長期的には成績不振もらたす」のは本当だと思う。褒めたり叱ったりするのが大切だと思う人に読んでほしい本。2014/12/23
壱萬弐仟縁
2
アメリカの子どもの行動心理学、教育心理学の視座から、成績を上げるにはどのような報酬や褒美を考えるべきか、総合的に研究している好著。日本人に適用すると、ゆとり教育とは時間的自由が高かったわけだが、結局5年で辞めてしまい、そして3年間の移行措置を経て、現在は8年前に戻って教科書が2割増しで土曜日休みは温存している。必然的に子どもは負担感が増え、教員も辟易としている。日本においては、大学生に対して判断力を萎えさせてしまっている。上げ膳据え膳教育の弊害が日本の競争力の低下につながっている。適度な報酬は必要か?2012/11/03
アコ
1
「報酬はメリットどころかデメリットになる」なんて、インパクトの強い内容の本、良い本でした。 報酬は、それが欠乏状態に与える(生活に必要なレベルの)ものか、プラスアルファなものかによって、もらった人の感じ方が違うってところが、並行して読んでいたインベスターZの徳川幕府の考え方と通じるところがあって、とても腑に落ちました。 自分が学生時代に読んでいたら、勉強の方法も変わったんだろうな。2018/09/30
tangent
0
報酬で人をコントロールしようとすることがいかに当然のごとく浸透しているか、思い知る。また、その中毒性と影響力たるや、驚くべき。新しい批判的な見方を学ぶことができた。2023/05/06
fiddler05
0
作者の言わんとしていることは極めて単純だか、学術書の体裁になっているので、難解な部分もある、ただし、1/4ぐらいが資料の頁となっているので、その分、通読するのには楽だ、2020/03/10