韓国の学術と文化
黄金の海・イシモチの海―韓国西海岸歴史民俗探訪

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  • サイズ A5判/ページ数 261p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588080159
  • NDC分類 384.36
  • Cコード C1336

出版社内容情報

韓国西海岸の浦々を踏査してイシモチにまつわるかずかずの伝承と漁撈技術の変遷を克明に記録し,魚を主人公にして〈生命の海〉に生きた人々の生活と信仰を語る。

内容説明

古くから人々の行き交う文化交流の場であるとともに魚群の群れる豊かな海であった黄海―この海でかつて人々の生活を支え、林将軍という英雄神と結びついて親しまれてきたイシモチが姿を消そうとしている。韓国西海岸の浦々を踏査して、イシモチにまつわるかずかずの伝承と漁業技術の変遷を克明に記録し、忘れられた漁民たちの生活と信仰を浮彫りにする。本書は、神話にまで語り継がれたイシモチを主人公としたユニークな海洋民俗誌であり、イシモチをめぐる人々の記憶と文献資料をたどりながら、海の生態系を破壊して人々の生活の根拠を奪う現代科学技術文明のエゴイズムを鋭く告発し、自然との正常な関係―生命を育む海―の回復をめざす警世の書である。

目次

黄金の兜を被ったイシモチを待ちながら
1部 イシモチの旅―黒山島日誌
2部 イシモチの年代記―法聖浦日誌
3部 オサルと英雄―浅水湾日誌
4部 王朝の時間と民衆の時間―奎章閣日誌
5部 イシモチ神話のメッカ―延坪島日誌
6部 黄海の黙示録、変身の神話―大和島日誌

著者等紹介

朱剛玄[ジュガンヒョン]
1954年生まれ。慶煕大学卒業後、同大学大学院に籍を置き、韓国シャーマニズム研究の第一人者・金泰坤氏の下で民俗学の研鑽を積む。論文「トゥレ研究」で博士号を取得し、この論文を通じて韓国農村に残る伝統的な共同作業体(トゥレ)の実態を明らかにした。また、後日「考古学と民俗学の共同研究」のテーマで二つ目の博士号を取得している。一貫して民衆の生活史の視点から各地域の踏査・資料調査をおこない、旺盛な著作活動を通じて現代社会への徹底した批判を展開するとともに、次世代への思想的提言を投げかけて注目されている。(社)ウリ民俗文化研究所所長、韓国文化観光省文化財専門委員、(財)海洋文化財団理事、統一文化学会共同代表

黒沢真爾[クロサワシンジ]
1963年生まれ。韓国嶺南大学大学院博士課程修了。韓国史専攻。(財)アジア学生文化協会アジアセミナー語学主任、自由の森学園高等学校韓国語講師などを経て、現在、関東国際高等学校外国語科韓国語コース教諭
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