韓国の学術と文化
韓国近現代農業史研究―韓末・日帝下の地主制と農業問題

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  • サイズ A5判/ページ数 487,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588080128
  • NDC分類 611.22
  • Cコード C3361

出版社内容情報

開港前後から植民地解放に至るまでの韓国農業の実態を実証的事例研究によって解明し,資本主義的農業経営と土地改革をめぐる農業近代化への苦難にみちた歩みを辿る。

内容説明

1876年の開港前後から1945年の植民地解放に至るまでの韓国農業の推移を、農業経営の実態と農民運動の展開の両面にわたる実証的事例研究によって具体的に明らかにし、農業近代化への苦難にみちた歩みを辿る。農業改革における二つの方向―地主的土地所有と農民的土地所有―を峻別しつつ、開化派政権が前者の道を選択したことによって地主制の矛盾が深刻化して1862年の農民抗争、1894年の農民戦争をひきおこし、さらに日本帝国主義下の植民地的農業経営によって改革の道が閉ざされた経緯をつぶさに検証する。封建的土地経営から産業資本主義的農業経営への転換期に生じたさまざまな問題の分析を通じて、韓国における農業問題打開への真の解決策を模索する。

目次

1 近代化と地主制(近代化過程における農業改革の二つの方向;日帝の初期農業殖民策と地主制)
2 地主経営の成長と変動(江華金氏家の地主経営とその盛衰;羅州李氏家の地主経営の成長と変動;古阜金氏の地主経営と資本転換;載寧東拓農場の成立と地主経営の強化;朝鮮信託の農場経営と地主制の変動)
3 地主制の矛盾―農民運動の指向と対策(朝鮮王朝最末期の農民運動とその指向;日帝強占期の農業問題とその打開方案)
結論 解放後の農業改革との関連

著者等紹介

金容燮[キムヨンソプ]
1931年、江原道平康に生まれる。解放前は、同道の通川に育つ。軍役終了後、朝鮮戦争を前後してソウル大学校師範大学歴史科卒業。高麗大学校大学院史学科修了。ソウル大学校文理大学教授などを経て、1975年延世大学校文科大学教授、文学博士。1997年の定年退任後は、ソウル延南洞に松巌書斎を開き、後進の指導に当たる。2000年、韓国学術院会員に選ばれる

鶴園裕[ツルゾノユタカ]
1950年大阪生まれ。1974年、早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。1974~78年、韓国に留学、延世大学校韓国語学堂、同大学校文科大学大学院史学科修了、文学碩士。1979~84年、一橋大学大学院博士後期課程単位習得退学、1987年金沢大学教養部助教授、97年同大学経済学部教授、現在に至る
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