韓国の学術と文化
私の文化遺産踏査記〈2〉山は川を越えられず

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  • サイズ A5判/ページ数 359p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784588080050
  • NDC分類 709.21
  • Cコード C3125

出版社内容情報

智異山東南の古道から到彼岸寺・雲門寺,農民戦争の舞台となった地域へ。石仏寺石窟の補修工事の功罪を初め,遺産にまつわる数々の栄光と神秘と悲歌を発掘する。

内容説明

智異山の東南に古道と古村を訪ね、アウラジ川に到ってアリランの由来に想いを馳せる。雲門寺の早朝礼拝に聴き惚れ、南北分断の地ゆえに語られず歌われざる漢難江、そして到彼岸寺へと赴く。しかし圧巻は、世界遺産に指定された慶州・石仏寺の石窟をめぐる物語だ。石窟とその仏像群は、統一新羅の宗教・科学・芸術の融合せる仏教美術の傑作だが、数奇かつ苛酷な歴史を体験してきた。保存のための苦闘史を辿ると、日本人の関与が正負ともに浮び上がる。そんな歴史の奥底へと向かう著者の踏査も、農民戦争の舞台を訪ねれば、旅路は未完と気づかされる。

目次

智異山の東南―咸陽・山清(古道と古村の尽きない秘話;山は智異山)
栄豊・浮石寺―胸にしみいるほど通いつめ
アウラジ川の回想―平昌・旌善(山は川を越えられず;三重の空の下を巡る道)
吐含山石仏寺(その栄光と汚辱の履歴書;石窟の神秘に挑戦した人びと;無生物にも生命はあろうに)
民統線付近―鉄原 漢灘江の悲歌
雲門寺とその周辺(あの青松に刻まれた傷跡は;雲門寺寺跡記と雲門賊の来歴;蓮の花が咲いたら兄妹池にいらっしゃい)
未完の旅路(扶安・辺山―守りとおした大切な美;農民戦争の舞台―未完の革命、未完の歴史)