出版社内容情報
1894?96年の朝鮮王朝内の一連の近代化運動=「甲午更張」は,何を課題にし,いかに展開されたか。軍国機務処の実態を中心に,運動の自律的側面を照射する。
内容説明
1894‐96年、すなわち東学農民蜂起と日清戦争の時期における朝鮮王朝内の一連の近代化運動を「甲午更張」という。中華システムからの脱却と近代化改革をどう進めるかを課題としたこの改革運動は、日本の保護国化政策の下で行われるという制約を有しながら、朝鮮近代史における重要な転換点をなした。著者は、日本の対朝鮮政策の動向、改革初期に設置された軍国機務処の組織や運営、さらに開化派官僚の改革構想(とくに兪吉濬の思想)などを検討して、単に日本の干渉と操縦による他律的なものではなく、自律的な改革運動だった側面を明確に実証する。
目次
第1章 甲午更張をめぐる日本の対朝鮮政策―甲午更張の他律論に対する修正的批判
第2章 日清戦争期の日本の朝鮮保護国化政策と甲午・乙未更張―井上馨公使の活動を中心に
第3章 甲午更張以前の兪吉濬―親日改革派官僚としての背景研究
第4章 軍国機務処の議案の分析
第5章 甲午開化派官僚の執権の経緯、背景および改革構想
著者等紹介
広瀬貞三[ヒロセテイゾウ]
早稲田大学第二文学部東洋文化科卒業。高麗大学大学院修士課程(韓国史)修了。現在、新潟国際情報大学情報文化学部助教授。共著に『間組百年史』、共著に『産業の昭和社会史・土木』など
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