出版社内容情報
「食べること」の意味を通して生物学と人文学とを結び,唯物論的あるいは観念論的に偏った人間観を共に排して,自然の秩序の中にあらためて人間を位置づける試み。
内容説明
人間の知能と雑食性の間に、あるいは雑食性と道徳の必要性の間に何らかの関係は存在するのか。食事を規制する無数の習慣が存在するのはなぜか。「食べること」の意味を通して生物学と人文学を結び、唯物論的あるいは観念論的に偏った人間観をともに排して、自然の秩序の中にあらためて人間を位置づける試み。
目次
第1章 食物と滋養摂取―形態の至上性
第2章 人間のかたち―何でも食べる直立者
第3章 接待者と食人者―「食う」Fressenから「食べる」Essenへ
第4章 垂直性を高める―文明化された食行為
第5章 自由、友情、そして哲学―食べることから食事へ
第6章 神聖化された食事―創造の記念碑
著者等紹介
カス,レオン・R.[カス,レオンR.][Kass,Leon R.]
第一世代のユダヤ系アメリカ人。医学博士。内科医としての教育を受け、そのご生物学者となるが、次第に人文科学への関心を深める。1984‐85年、国立人文科学センター特別研究員、1991‐92年、アメリカ企業研究所特別研究員を務めた。現在はシカゴ大学教授として、哲学・文学を教えている
工藤政司[クドウマサシ]
1931年生。弘前大学文理学部卒業。東京国際大学経済学部教授等を歴任
小沢喬[オザワタカシ]
1947年生。東京都立大学大学院人文科学研究科英文学専攻修士課程修了。同大学人文学部助手を経て、現在、東京理科大学教授。英文学・哲学専攻
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