出版社内容情報
中央アラビアの一部族国家から今世紀の大統一へ,さらに石油資源の出現による劇的変動までを描き,今日の繁栄のもとにおける社会的矛盾や政治的苦悩をも予言する。
内容説明
中央アラビアの一部族国家が、アラビアの全部族と広大な砂漠地帯を、革新的・清教徒的イスラーム信仰を支柱に統一し、さらに石油資源の出現に対応して、社会・経済改革に乗り出すまでの三世紀余の全史。名君イブン・サウード王没後の想像を絶したさらなる繁栄と国際的発展が拡幅した社会的苦悩や政治的矛盾をも鋭く予言する。
目次
第1章 ダルイーヤの小領主
第2章 ムハンマド・イブン・サウード
第3章 アブドゥル=アズィーズ(一世)・イブン・サウード
第4章 サウード(二世)・イブン・サウード
第5章 アブドゥラー(一世)・イブン・サウード
第6章 トルキー・イブン・サウード
第7章 ファイサル(一世)・イブン・サウード
第8章 アブドゥラー二世とサウード三世
第9章 アブドゥル=アズィーズ二世・イブン・サウード
第10章 拡大と強化
第11章 幸福なアラビア(アラビア・フェリックス)
感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
14
アラビア半島に一大王国を建国し、二大聖地の守護者にもなったサウード家の歴史。ワッハーブ派の守護者になったダルイーヤの領主ムハンマドから初代国王アブドゥル・アズィーズ1世までの300年間が対象になっている。七転八起ともいえるほど苦難の道のりであり、何度も本拠地を捨てながらも再興を果たす。オスマン・トルコという大帝国が近くにあり、武力では太刀打ち出来ないが百年単位での粘り強さが勢力確立に繋がっていく。また武力だけでは解決できないアラビア半島の部族社会もサウード家というまとめ役を必要としたのではと思いました。2020/08/15