内容説明
人種差別・性差別とならぶ重要な問題でありながら、ほとんど意識されることすらないエイジズムとは何か。本書は、高齢者に対する偏見や差別のみならず、尊敬や優遇措置をも含むその広版な概念を明らかにするとともに、個人的・文化的原因、社会的影響と結果を究明する。社会・経済・行政から家族、さらにはわれわれの内なるエイジズムまでを剔出し、その解消に向けて、人と社会を変えるための方策を説いた具体的な提言。読者の自己診断のために「加齢の事実をめぐるクイズ」を付す。
目次
第１部 概念（序文および基本的概念規定；エイジズムの形態；年齢の意味）
第２部 原因と結果（個人的原因；社会的影響 ほか）
第３部 画一的なパターン（経済；政府 ほか）
第４部 エイジズムの解消に向けて（人を変えていく；構造を変えていく；変えるための方策 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みうら
1
社会保障の勉強で読了。人種差別、性差別に続く問題として年齢差別(エイジズム)を取り上げた本。主に米国(1970〜1990年頃)での高齢者問題について書かれている。非常に幅広い視点からエイジズムの問題に取り組み、その問題を、人、構造、方策からどのようにより良いものにしていくかという未来への展望で締め括られている。肯定的エイジズムと否定的エイジズムの両者は、それぞれ高齢者への捉え方の違いであって、エイジズムには変わらないところがポイント。2023/05/31
