りぶらりあ選書<br> 小独裁者たち―両大戦間期の東欧における民主主義体制の崩壊

りぶらりあ選書
小独裁者たち―両大戦間期の東欧における民主主義体制の崩壊

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 225,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588021374
  • NDC分類 312.3
  • Cコード C1322

出版社内容情報

第一次大戦後,東欧に導入された西欧型民主主義の政治体制はなぜ崩壊したか,各国別にその過程を辿り,現代東欧の歴史的前提たる政治構造の特質をトータルに解明。

内容説明

本書は、第1次大戦後東欧に導入された民主主義的な政治体制がなぜ崩壊したか、その後どのような体制に取って代わられたか、各国別にその過程を分析し、政治構造の特徴を総合的に展望する。1989年東欧変革の歴史的前提を理解し、現代民主主義の政治システムを検討する上での基本文献。詳細な文献案内および民族・経済関係の統計表を付す。

目次

1 ポーランド
2 ハンガリー
3 オーストリア
4 ルーマニア
5 ユーゴスラヴィア
6 例外としてのチェコスロヴァキア

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バルジ

4
イワン・クラステフ『アフターヨーロッパ』に触発されて読んだ一冊。あまり戦間期中東欧政治史の概説書が無い中で貴重なものでもある。 第一次大戦後の中東欧諸国は強い立法権と弱い執政権というフランス第三共和制をモデルとした自由民主主義体制を採ったが、その殆どは1930年代には崩壊し独裁的な政権が樹立されるに至る。国民国家としての基盤が無く多民族で複雑な国内情勢や経済不況が民主主義を崩壊させた過程は非常に示唆的でもあり、現在「非自由主義的民主主義」が勢いを増す東欧諸国の歴史的背景を理解する一助にもなるだろう。2019/04/05

印度 洋一郎

2
第一次次大戦後、民族が次々と独立した東欧で新国家が採用した民主主義が僅か十年ほどで次々と崩壊し、独裁体制へと変貌した過程を概説した本だが、ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、オーストリアを中心に分析している。どの国も階層や民族の分断と対立を内部に抱え、脆弱な経済が運悪く大恐慌に直撃され、国民は事態を収拾できない民主主義を見限る。同時期のドイツもそうだが、制度だけ導入しても民主主義は機能しない。機能する前提となる環境が欠けており、唯一の例外として民主主義が機能したチェコスロバキアも又ドイツの前に潰え去った 2021/04/21

陽香

2
199302152016/10/08

hurosinki

1
戦間期東欧の概説書。正味200頁ほどで、非常にコンパクトにまとまっている。民主主義の制度といっても一定ではなく、他の人も述べているように、東欧で規範となったのが立法が強く執政権の弱いフランス第三共和政の制度である。フランスが戦争直後の欧州覇権国だったもんね。これが国内に混乱を抱える東欧とのかみ合わせが最悪で、マサリクのリーダーシップが強力で、大統領の権限が広範なチェコスロバキアを除き、大恐慌以降民主主義制度はほとんどの東欧諸国で崩壊していた。2019/09/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/268465
  • ご注意事項