出版社内容情報
本書は、各人、各政府、各企業が、実現を目指すべき人間の生の「最低限」に関する本である、と著者は言う。安全な生活、十分な食料などがその最低限であり、この最低限への権利が「基本権(ベーシック・ライツ)」である。この基本権という発想は、従来の権利理論を大きく転回させた。貧困、軍事的介入、気候変動などの現代社会の諸問題をめぐる思考や、その解決に向けた実践に、大きな影響を与え続ける古典的名著の最新改訂版。
内容説明
本書は、実現を目指すべき「最低限」に関する本である、と著者は言う。安全な生活や十分な食料などがその最低限であり、この最低限への権利が「基本権(ベーシック・ライツ)」である。そしてこれは底辺の道徳でもある。基本権は、誰もそれ以下に沈むことが許されない線を特定するからだ。従来の権利理論を大きく転回させて、貧困から気候変動まで、現代社会の諸問題の解決に向けた実践を提唱する。
目次
第1部 三つの基本権(安全と生存;相関的義務;自由)
第2部 生存権に対する三つの課題(現実主義と責任;豊かさと責任;国籍と責任)
第3部 基本権に対する新しい課題(権利に基づく義務と制度的転回;基本権と気候変動(二〇二〇年))
著者等紹介
シュー,ヘンリー[シュー,ヘンリー] [Shue,Henry]
アメリカ合衆国出身の政治哲学者。オックスフォード大学マートンカレッジ名誉教授。1970年にプリンストン大学で博士号を取得。ノースカロライナ大学、ウェルズリー大学、メリーランド大学、コーネル大学、オックスフォード大学で教鞭をとった
馬渕浩二[マブチコウジ]
1967年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。中央学院大学商学部教授。倫理学、社会哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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