出版社内容情報
経済・金融の不安定性と不確実性から、人間の知的営為を問い直し、不透明感と閉塞感に包まれている世界の現在と未来を総合的に考え…私たちが生きる世界に「資本の亡霊」が権力を表象する符牒として現れる。本書は、「オイコノミアー」と「ディケー」の合成である新たな経済神義論、「オイコディツェー」を通して、歴史のなかで積み上げられてきた「世界」理解、「人間」理解の知的営為を問い直す。そして、不透明感と閉塞感に包まれている現在の世界、不安定性と不確実性に悩むこの世界の現在と未来を総合的に考える。
序文
第1章 ブラック・スワン
コズモポリス
資本主義の精神
銃の安全装置をはずす
描写の不可能性
当惑
オイコディツェー
第2章 市場の牧歌?
社会物理学
個人の悪徳……
利益
見えざる手
経済的人間
自然主義
価格システム
第3章 資本の時代
均衡
競争
物理学主義
信用経済
イングランド銀行
一七九七年
アッシニア紙幣
銀行券
時間化
資本の使徒信条
第4章 市場の牧歌?
金融経済の時代
新自由主義
先物取引
効率的市場
ランダム・ウォーク
数式
情報
新たなオイコディツェー
歴史の終わり
第5章 経済的再生産と社会的再生産
オイコノミアー
クレマティスティク
暗いエンテレケイア
無名の職業
貨幣と繁殖力
認知的資本
生の政策
経済帝国主義
金融サガ
第6章 断裂帯
手のつけられない領域
混乱した経験主義
歴史の領域
金融市場
流動性
臆見
フィードバック
不安定性理論
二〇〇七年以降
リソースとしての時間
未来からの帰還
オイコディツェーの終焉
日本語版へのあとがき:予測と挫折―─あるいは不思議なことに経済学のなかに神の存在証明が生き残っているということ
訳者あとがき
訳註
原註
参考文献
図版出典
ヨーゼフ・フォーグル[フォーグル ヨーゼフ]
著・文・その他
羽田 功[ハダ イサオ]
翻訳
内容説明
亡霊が世界を徘徊している、資本主義の亡霊が…新たな経済神義論、「オイコディツェー」を通して、歴史のなかで積み上げられてきた知的営為を問い直し、不透明感と閉塞感に包まれ不安定性と不確実性に悩む、この世界の現在と未来を総合的に考える。
目次
第1章 ブラック・スワン
第2章 市場の牧歌1
第3章 資本の時代
第4章 市場の牧歌2
第5章 経済的再生産と社会的再生産
第6章 断裂帯
日本語版へのあとがき 予測と挫折―あるいは不思議なことに経済学のなかに神の存在証明が生き残っているということ
著者等紹介
フォーグル,ヨーゼフ[フォーグル,ヨーゼフ] [Vogl,Joseph]
1957年ドイツのバイエルン州生まれ。ミュンヘン大学で文学、思想などを学び、1990年にミュンヘン大学より現代ドイツ文学研究で博士号、2001年にミュンヘン大学で教授資格を取得。2006年から、ベルリン・ヴィルヘルム・フォン・フンボルト大学哲学部教授。主な研究分野は、知の歴史と理論、金融・権力・リスクの現代史、ディスクールとメディア理論、18世紀から20世紀の文学史
羽田功[ハダイサオ]
1954年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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