叢書・ウニベルシタス<br> 胎児の条件―生むことと中絶の社会学

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叢書・ウニベルシタス
胎児の条件―生むことと中絶の社会学

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  • サイズ 46判/ページ数 584p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588010866
  • NDC分類 498.2
  • Cコード C1330

出版社内容情報

政治的には合法の中絶を、今後社会的にも声の届く経験にするために、文法、物語られる経験、歴史的パースペクティブが結び合わされ…中絶は、ある種の暗黙の協定や社会的自己欺瞞のために、依然として非公式の空間の中に閉じ込められている。そして、中絶をめぐる議論は、合法化だけでは終止符を打つことができない。なぜなら、胎児の条件とは人間の条件だからである。本書は、生むことの問題を提起し、当事者へのインタビュー、そして、社会学を初めとする様々な知とともに、人間存在の社会への参入を司る象徴的な制約を分析する。政治的には合法の中絶を社会的にも声の届く経験にするために、文法的アプローチ、物語られる経験、歴史的パースペクティブがここで結び合わされる。

序 論 

生命の領域に影響を与えた様々な変動の中で中絶が占める位置

二つの理論的目的

語彙の問題

協力してくれた人びと

謝辞

第一章 中絶の人類学的次元

ジョルジュ・ドゥヴルーの比較論的アプローチ

その可能性がどこでも知られている実践

総非難の対象

中絶に対する寛容さ

表象の貧しさ

中絶が社会学に提起する諸問題

目を開くことと目をつぶること

社会科学と生むことの問題

個別的アイデンティティの確立

個別性の社会的製造

個別性と親族

類別的名称と固有名

一般性への上昇と個別性への上昇

第二章 生むことに課せられる二つの制約

人間をつくること──仕様書

差異の構築

肉とことばが切り離されるとき──肉としての人間だがことばによる人間ではない

肉とことばが切り離されるとき──ことばによる人間だが肉としての人間ではない

生むことに課せられる第一の制約に向けて

触知可能な人間性と(ことばによって)個別化された人間性

生まれてくる子どもをことばによって認証すること──母親による子どもの迎え入れ

母親によって与えられる認証はどのようにして行われるのか?

取り替え可能な(a)と個別化される(b)

母親による迎え入れをどのように理解したら良いか──中絶の可能性

第二の制約の定義に向けて

C1によって区別される諸々の存在を接近させるC2

C1とC2の矛盾と可逆性の問題

C1とC2の差異──「取り替え可能」が意味することに関する二つの視点

第三章 取り決め

二つの制約の間で生じる緊張を曖昧にする取り決め

母親の権力は外的権威に従う

他者の問題

公式的なものと非公式的なもの

創造主との霊的取り決め

親族との家政的取り決め

産業国家と社会的有用性で結ばれた取り決め

国家の目から見た中絶

国家との取り決めにおける公式的なものと非公式的なもの

第四章 親となるプロジェクト

新たな類型の取り決め?

プロジェクトによる子ども

プロジェクトによる市民体

つながり重視の世界における人間関係

プロジェクトによる市民体の枠組みにおける親となるプロジェクト

プロジェクトを立てて生むことの非公式的側面

「避妊の失敗」から生むことの失敗へ

プロジェクト不在による事故としての妊娠

プロジェクトを延期する手段としての中絶

プロジェクトの失敗

第五章 胎児のカテゴリーの構築

胎児の存在論的操作

エコー検査が映し出す二つの胎児

「赤ちゃん」、「胎児」、「胚」、「初期胚」、「配偶子」など

他の類型の取り決めに登場する胎児の批判的再規定

カテゴリー化の作業が直面する危機

分類不可能なケースや係争中のケースが表象する危険

新たな胎児のカテゴリー──テクノ胎児

表象と可視的なものの問題

脱構築を通じた胎児の社会的世界への参入

社会技術としての構築主義

構築主義と存在論

第六章 中絶の正当化

非処罰化、合法化、正統化

中絶の合法化を求める抗議

中絶と国家

中絶を非処罰化する法律

中絶の正統化

オール・オア・ナッシングのジレンマ

「ヒト」対「人」

生態全体における胎児の価値

闖入者としての胎児──歓待は道徳的義務か?

生命権の条件としての承認

脱構築主義的批判

正統化の企てとそれへの批判

第七章 中絶の経験

リベラルな枠組みからの脱出

道徳カテゴリーから自己認識の言語へ

生むことと中絶における自己経験について語るための局所論

充足と不安の狭間に位置する妊娠経験

意志の葛藤としての「アンビバレンス」

自己の中にある他者の痕跡

肉の意志からプロジェクトへのコミットメントへ

「私の肉の肉」

中絶について説明する──正当化、理由、弁解

出来事に意味を与える

文法的アプローチから経験の解釈へ

結 論 中絶を忘れる

中絶をめぐる論争の終結

矛盾を最小化する二つの方法

中絶の消滅を目指して?

矛盾の消滅?

人間学的問題

訳者あとがき





参考文献

事項索引

人名・固有名索引

リュック・ボルタンスキー[ボルタンスキー リュック]
著・文・その他

小田切 祐詞[オダギリ ユウジ]
翻訳

内容説明

生むことの問題を提起し、人間存在の社会への参入を司る象徴的な制約を分析する。当事者へ綿密なインタビューも行って、政治的には合法である中絶を、今後は社会的にも声の届く経験にするために、文法的アプローチ、物語られる経験、歴史的パースペクティブが、ここで結び合わされる。

目次

序論
第1章 中絶の人類学的次元
第2章 生むことに課せられる二つの制約
第3章 取り決め
第4章 親となるプロジェクト
第5章 胎児のカテゴリーの構築
第6章 中絶の正当化
第7章 中絶の経験
結論 中絶を忘れる

著者等紹介

ボルタンスキー,リュック[ボルタンスキー,リュック] [Boltanski,Luc]
1940年生まれ。フランス社会科学高等研究院(EHESS)教授。現代フランス社会学を代表する人物の一人。資本主義、国家、愛、生命など、多様なテーマを取り上げながら独自の社会学を展開している

小田切祐詞[オダギリユウジ]
1983年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。神奈川工科大学、武蔵野大学、上智大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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singoito2

8
ボルタンスキーをもっと読みたかったのです。本書は中絶が風習化P447したフランス社会で女性たちの声を聞きながら、人間性とは何かを追求しているのです。全体に抽象的な議論が多いので、気の短い人は4~5章、7章を最初に読んでも良いかもしれません。ボルタンスキーの思索の歩みはもとより、命を宿すことの喜びと不安に震える女性たちのインタヴューは出色でした。2023/08/19

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