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内容説明
ガダマーの薫陶を受け、ブレーデカンプと並ぶイコノロジーの第一人者による最新の成果。洞窟壁画や中世の宗教画からハイデガーのスナップ写真、ウォーホルなど100点を超す図版をオールカラーで掲載。意味の理解を言語に限定しない新たな解釈学。
目次
画像の魅力、画像の議論
「見せること」の背景―「像」の直示的根底
言語の彼方―画像の論理のための覚書
聖像破壊―廃棄、止揚、否定
開けた地平線―自然像の歴史
眼と手のあいだ―認識の装置としての図像
イコン的知―モデルとしての図像
痕跡と感知力―デッサンの考古学
図像の連続的活動―近代におけるジャンルと図像
表現と装飾―アンリ・マティスによる絵画の変貌〔ほか〕
著者等紹介
ベーム,ゴットフリート[ベーム,ゴットフリート] [Boehm,Gottfried]
1942年、ブラウナウ(ボヘミア)に生まれる。H.‐G.ガダマーのもとで研鑽を積み、1968年に博士号(哲学)、1974年に教授資格(美術史)を取得。1975年以降、ルール大学(ボッフム)で教鞭を執り、1979年、ユストゥス・リービッヒ大学(ギーセン)教授、1986年以降、バーゼル大学教授
塩川千夏[シオカワチナツ]
1964年東京に生まれる。上智大学大学院哲学研究科博士後期課程満期修了。成蹊中学・高等学校教諭
村井則夫[ムライノリオ]
1962年東京に生れる。上智大学大学院哲学研究科博士課程満期修了。中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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渡邊利道
2
言語的な意味の伝達ではない、図像で「示されるもの」の生成と構造について論じる。イメージの自立性の議論がモダニズム美術批評にも近いが、ヴィトゲンシュタインの家族的類縁性、カントの想像力、フッサールの「地平」などが参照される。図の現れによって地に隠されるものが想像力を喚起する、現前と不在が分かち難く結びついている「イコン的差異」の概念が、イメージの意味の無限定を産むなどの議論は刺激的で面白い。ガダマーがイメージにおいてミメーシスの意味をずらしているというので未読の『真理と方法』を読んでみたいと思った。2019/09/07