叢書・ウニベルシタス
ルーマニアの変容

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588009907
  • NDC分類 302.391
  • Cコード C1310

出版社内容情報



E.M.シオラン[シオラン]
著・文・その他

金井 裕[カナイ ユウ]
翻訳

内容説明

ナショナリズムとファシズムによる不寛容と熱狂的崇拝は、いまなお人々に心酔と激情をもたらしている。青年期のヒトラー崇拝と反ユダヤ主義的言説により、生前から死後も非難に曝され、その痛切な悔恨が絶望となって著作に深い影を落としてきたシオラン。その封印された過去を初めて明るみに出す政治評論。

目次

コドレアヌ、大天使ミハイル軍団および鉄衛団についての覚書
祖国
シモーヌ・ブエのメモ
シオラン書簡断片
ルーマニアの変容(小文化の悲劇;ルーマニアのアダミスム;ルーマニアの心理的および歴史的な欠陥;国家集産主義;戦争と革命;政治の世界;ルーマニアの歴史の螺旋)

著者等紹介

シオラン,エミール[シオラン,エミール][Cioran,Emil]
1911年、ルーマニアに生まれる。1932年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。1995年6月20日死去

金井裕[カナイユウ]
1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:『カイエ1957‐1972』(日本翻訳文化賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ラウリスタ~

15
シオランがまだルーマニアで書いていた1936年の本。25歳の若造らしく、とんでもなく過激で偏狭。ナチスとファシズムを賞賛し、日本帝国主義にアジアとヨーロッパの均衡の可能性を見て、そして自らの民族、弱小ルーマニアを貶し続ける。そこに含まれる反ユダヤ主義の故に、シオランのその後の人生にいつまでもまとわりついてしまった問題作が、2009年にフランス語に訳された、もう冷静にこの若書きが読まれてもいい頃だろうという意図。歴史に名を残す大文化ではない、中小文化の書き手が持つ自民族への怒りが心に響く。2015/03/02

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