内容説明
ドイツ観念論体系崩壊後の歴史にあえてターゲットを絞り、新カント学派に下された認識論への還元主義という一面的な評価、生の哲学がおよぼした影響力の忘却など、偏った哲学的認識に再考を促す。
目次
プロローグ
1章 時代の概観
2章 歴史
3章 学問/科学
4章 理解
5章 生
6章 価値
7章 存在
エピローグ―人間
著者等紹介
シュネーデルバッハ,ヘルベルト[シュネーデルバッハ,ヘルベルト][Schn¨adelbach,Herbert]
ドイツの哲学者。1936年生まれ。フランクフルト大学でアドルノに師事し、1965年に哲学博士号、1970年に大学教授資格を取得。フランクフルト大学での私講師を経て、1978年にハンブルク大学教授に就任。1993年からベルリン・フンボルト大学に移り2002年に退官。1988‐90年にはドイツ哲学会の会長もつとめる。フランクフルト学派の流れをくみながらもその批判理論の乗り越えを目指し、言語論的転回を経た現代哲学の条件下でも通用しうる「哲学的ディスクルス」の可能性を探究する
舟山俊明[フナヤマトシアキ]
1950年生まれ。慶應義塾大学文学部教授
朴順南[パクスンナン]
1979年生まれ。慶應義塾大学文学部非常勤講師
内藤貴[ナイトウタカシ]
1975年生まれ。慶應義塾大学大学院後期博士課程在学
渡邊福太郎[ワタナベフクタロウ]
1981年生まれ。東京大学大学院後期博士課程在学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レートー・タト
3
本書は「哲学史」と題されているが、どちらかと言えば「思想史」の方が近い。ドイツ思想史の教養をつけたいという方にはお勧め。ただ、初学の方には難しめに思われる。本書を読み進めるに当たっては、ある特定の哲学者(譬えばハイデガーなど)の専門用語が断りもなく散りばめられているので、哲学用語辞典を横に置いたほうがよい。しかし、思想史の本はどれをとってもそうだが、専門用語がでてきたら調べつつ読むという作業こそが醍醐味である。本書は誤訳が散見されるが、そうすることで一気に哲学のワールドが拡がる面白さを体感できる本である。2011/06/26