内容説明
中世から19世紀末に至るまで「雲」は西欧絵画の空にとりつき、描写のモティーフというより絵画記号論の一要素として多義的な役割を演じてきた。「雲」という一連の記号表現の機能を、絵画史の観点から明らかにする。
目次
1 記号と徴候(円蓋;指標 ほか)
2 記号と表象再現(イコノミュスティカ;表象再現の二様態 ほか)
3 統辞論的空間(読解の問題;表象再現の文字言語 ほか)
4 連続体の様々な力(「様式」と理論;天と地と ほか)
5 我が船の帆の素白なる悩み(雲への奉仕;息の神聖文字 ほか)
著者等紹介
ダミッシュ,ユベール[ダミッシュ,ユベール][Damisch,Hubert]
1928年生まれ。パリ社会科学高等研究所に芸術の理論/歴史部門を設立、研究主任を長きにわたって勤める。モーリス・メルロ=ポンティに哲学の薫陶を受け、ピエール・フランカステルの下で美術史を学ぶ。その研究対象は絵画、彫刻から建築、写真、映画、さらには文学作品まで表象文化全域に及び、分析の方法も従来の美学、美術史に加え、記号論、精神分析、人類学など多様な領域を横断する
松岡新一郎[マツオカシンイチロウ]
ニューヨーク生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業(科学史科学哲学)、同大学院総合文化研究科修士(比較文学比較文化)、パリ第十大学DEA、東京大学大学院超域文化科学博士課程単位取得退学、国立音楽大学専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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