内容説明
「私はひとりのユダヤ女です」と、自らを位置づけるアーレントにとってユダヤ性は紛れもないひとつの経験であり、己の思考を政治や歴史に導く重要な要素であった。アーレントが引き起こした数々の論争を踏まえ、その思想練成の側面を照射。
目次
1 「あなたは誰ですか?」「ひとりのユダヤ女です」(ユダヤ人の同化の起源で―ラーエル・ファルンハーゲンあるいは内面性と物語としてのユダヤ性;所与と「誰」)
2 反ユダヤ主義、全体主義。崩壊するのをひとが見たがるものについて書くこと(反ユダヤ主義を解釈すること。同化主義とシオニズムの実践的かつ理論的不十分さ;全体主義の区切り、あるいはジェノサイドの区切り?)
3 困難な平等(解放の運命)(「啓蒙」の両義性から解放の曖昧さへ;無国籍者あるいは「人間一般」)
4 パーリア、成り上がり者、そして政治。いかにして没世界主義から脱するか(パーリアと成り上がり者―圧制の体系;没世界主義と友愛;没世界主義を超えること)
5 抑圧されたものと犠牲者の責任(「われわれが求めるのは慈愛ではなく正義である」;シオニズムあるいは国民解放運動の曖昧さ;ユダヤ人評議会。政治的責任、道徳的責任)
著者等紹介
レイボヴィッチ,マルティーヌ[レイボヴィッチ,マルティーヌ][Leibovici,Martine]
1948年パリ生まれ。パリ十三大学(ヴィルタヌーズ)の政治学の助教授を経て、現在パリ第七大学(ドゥニ・ディドロ大学)で政治哲学の助教授を務めている。同大学付属の「政治的実践と表象の社会学センター」CSPRPのメンバーでもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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