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内容説明
異郷を往還する異邦人の“まなざし”で世界の現実を直視し、他者との相互作用を通じて世界と直に対峙する方法を模索する。『未完の菜園』『越境者の思想』に連なる省察の書。
目次
第1部 ブルガリアの出身(全体主義の経験;強制収容所;共産主義の終焉)
第2部 フランス国籍を持った者(クラフチェンコとルッセの裁判;トゥヴィエ事件;人種差別についての論争;知識人たちの政治;表現の自由と検閲;文化と日常生活)
第3部 アメリカへの訪問者(文学批評;人文学;自律の凋落)
著者等紹介
トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン][Todorov,Tzvetan]
1939年、ブルガリアに生まれる。1973年、フランスに帰化。ロラン・バルトのもとに『小説の記号学』(67)を著して構造主義的文学批評の先駆をなす。91年、『歴史のモラル』でルソー賞を受賞。現在、国立科学研究所(CNRS)の芸術・言語研究センターで指導的立場にある
小野潮[オノウシオ]
1955年宮城県に生まれる。東北大学大学院博士課程単位取得修了。現在中央大学文学部教授・19世紀フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラウリスタ~
11
これは今まで読んだトドロフのなかでも一番面白かったのではないか。というのも、・・について語るのではなく、自分自身が生きるこの世界について、語るから。20世紀末のトドロフが見抜いた問題は、今の我々にとっては非常に馴染みの深いものとなっている(幸か不幸か)、だからトドロフに強い共感を感じながら読み進めることが出来る。ブルガリアの大学を出て、パリに進学、気が付けば流浪の身に、だからこそ、この「愚かしさ」を延々を生みだす民主主義のなかにも、その本来的な価値をしっかりと見いだすことが出来る。2015/02/03