出版社内容情報
本書はキネが人類史・宗教史の観点からこの神秘に満ちた伝説を新たに解釈し中世の聖史劇を模しつつ壮大な幻想の世界を構築した古典
内容説明
十字架を背負いゴルゴタの丘を登るキリストに一杯の水を求められて拒んだ“伝説のユダヤ人アースヴェリュス”。ヨーロッパの民衆世界に広く語り継がれたこの伝承を人類史・宗教史の観点から新たに解釈し、中世の聖史劇を土台に目眩く幻想の世界を構築した古典。
目次
第一日 天地創造
第一日の幕間劇
第二日 受難
第二日の幕間劇
第三日 死
第三日の幕間劇
第四日 最後の審判
著者等紹介
キネ,エドガール[キネ,エドガール][Quinet,Edgar]
1803年フランス東南部ブール=アン=ブレスに生まれる。1820年パリに出、コレージュ・ド・フランスでドイツ思想を講じていたヴィクトル・クーザンに才能を認められ、またヘルダー哲学と出会い、歴史家・歴史哲学者としての思想的立場を確立する。この頃に識り合ったミシュレとはこの後50年にわたる親交がつづく。30年代に入り『両世界評論』『パリ評論』誌を中心に活動、共和主義的立場に傾いていく。38年リヨン大学文学部教授に招かれ、41年にはコレージュ・ド・フランス教授に就任。48年2月革命後の第二共和政成立とともに立法議会代議士に選出され共和党左派の政治家として論陣を張る。51年ナポレオンのクーデターによって追放、ベルギーに亡命。その後71年パリ・コミューンによって第三共和政の国民議会に復帰し、75年死去
戸田吉信[トダヨシノブ]
1932年広島県呉市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業、同大学院をへて金沢大学助教授、広島大学助教授、同大学教授を歴任。1996年広島大学停年退官。東亜大学大学院総合学術研究科教授、放送大学客員教授を経て、広島大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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