叢書・ウニベルシタス<br> 歴史を考えなおす

叢書・ウニベルシタス
歴史を考えなおす

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  • サイズ B6判/ページ数 167,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588008269
  • NDC分類 201
  • Cコード C1320

出版社内容情報

ポストモダニズム的な視点からの旧来の歴史学への批判をきわめて簡明に論じた格好の入門書。

内容説明

ポストモダニズム的な視点からの歴史学に対する批判をきわめて簡明に論じた格好の入門書。

目次

第1章 どのような歴史か(理論について;実際的な面について;歴史の定義について)
第2章 いくつかの問いといくつかの答えについて(真実について;事実と解釈について;偏りについて;追体験について;一次的史料と二次的史料―史料と証拠について;対句について―因果関係などについて;歴史―科学か芸術か;結論)
第3章 ポストモダンの世界で歴史を行なう

著者等紹介

ジェンキンズ,キース[ジェンキンズ,キース][Jenkins,Keith]
1943年生まれ。ユニヴァーシティ・コレッジ・チチェスター史学科教授。ノッティンガム大学卒業後、同大学大学院においてソレル、フロイト、ニーチェの研究で博士号を取得、その後ユニヴァーシティ・コレッジ・チチェスターで歴史教育論を担当、ヘイドン・ホワイト、デリダ、リオタール、ボードリヤール、ローティらの考えを取り入れ、ポストモダニズムの立場に立つ歴史理論の代表的論者として活躍するようになった

岡本充弘[オカモトミチヒロ]
1945年栃木県に生まれる。東京大学文学部史学科卒業、同大学院でイギリス近代史(チャーティスト運動)を専攻。山形大学助教授をへて現在東洋大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

10
旧来中心的であった主義が崩壊したことを説く。とはいえウェストファリア体制が終わった今現在はポストモダンですらなかったようだが…。「『偶然性、アイロニー、連帯』のなかで、ローティは…私たちの文化に一般的に生きつづけている観点は、あらゆることはたんに記述しなおすことによって良い・悪い、望ましい・望ましくない、役に立つ・役に立たないのいずれかとみなされうるという観点であると述べている。…もちろんこの考え方は…過去/歴史にも通用する。というのは、すでにふれたように、ひとつの過去は無限に記述しなおすことができる」2022/03/17

たけぞう

3
ジェンキンズは、エルトンらの実証主義、カーらの現在からみた歴史を重視する構築主義をともに批判する立場に立つ(pp.154-55)。ポストモダンの影響を逃れられないこの時代に、どうやって歴史を書き、教え、伝えるかという問題について一つの考えを示した簡潔な本。訳者解説にもある通り、こういった「脱構築論」タイプの議論は日本語ではあまり紹介されていないという印象がある。有益だった。2015/01/13

rubeluso

1
ポストモダンの立場から歴史はある特定の権力構造のもとに構築されたものであり、「真実の」歴史は存在しない、ということが繰り返される。では肝心の、ポストモダンの世界で歴史を行うには、という点に関して筆者は自省的な方法論を選びとること、実践するために適切な内容〔過去〕を選択すること、と結論を述べて締めくくる。わかったようなわからないような……。多分理解しきれていないのでもっと勉強2014/07/29

飛燕

1
「歴史」とは構築されたものとの物語り論的理解に基づきつつ、「過去」には認識論的に到達不可能とし(歴史的相対主義)、それを前提にした「正しい解釈」という考え方を批判。「歴史」は「言説」であるとするが、「言語によって構築されたもの」という意味だろう。この行為が「権力」と不可分だと強調する点にフーコーの影響が見て取れる。氏は現在の状況(ポストモダン)に合わせた物語りを提案しているが、自己破壊的批判を主とした学問、ということであろうか。ポストモダンを「大きな物語」のように扱っている印象が残る2012/09/10

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