出版社内容情報
ヨーロッパ中世における死の様態を、人が死を意識するところから、死に瀕し、臨終を迎え、死後の世界に至るまでの流れの中で描く
内容説明
教皇や皇帝の死から沼に落ちて死ぬ子供まで、疫病や天災による死から刑罰や戦争による死まで、中世の死を追体験しつつ現代の生と死を考える。
目次
墓地を散策しながら考える
枠組み―人口史について
働き盛りにする備え
死に直面して
眠りの兄弟
死者の場所
死―終点ではなく通過地点としての
早すぎる死
暴力的な死:刑法
私闘と戦争
ペスト大流行
恐怖への欲望―中世後期の死の舞踏
汝死よ、呪われてあれ
展望
著者等紹介
オーラー,ノルベルト[オーラー,ノルベルト][Ohler,Norbert]
1935年に生まれる。フライブルク、フランクフルト、グルノーブルなどの大学で歴史とフランス語を学ぶ。その後はフライブルク大学などの講壇に立ち、歴史学を講じたが、現在は退いてフライブルクの近郊に住み、フリーのジャーナリストとして精力的な活動を展開している
一条麻美子[イチジョウマミコ]
1961年に生まれる。東京大学大学院修士課程(独語独文学専攻)修了。東京大学総合文化研究科助教授
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感想・レビュー
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東雲
5
中世ヨーロッパ、特にドイツを中心に当時の死生観、と言うよりは死に際しての儀式であったり埋葬、死後の世界や肉体の取り扱いについて取り上げられた本。内容としての密度は濃く、この一冊でも十分であるが、フィリップ・アリエスの著作と共に読むと尚理解が深まると思う。2005年発行であるにも関わらず聖書の訳が古いのが難点。他の書籍の訳に合わせたのかもしれないが……。しかし参考文献も多く読み応えのある、なおかつ読みやすい文体で、研究書としてもオススメの一冊。2015/06/12
陽香
0
0507152011/07/06