出版社内容情報
現象学の現出論的展開の古典的名著。この下巻には原著の第44節から77節(了)索引及び訳者あとがきを収める
内容説明
古代ギリシアからハイデガーに至る西洋哲学を「存在論的一元論」として批判的に捉え直すとともに、独自の「内在」概念の内に根源的な現出の本質を見出し、その具体的な啓示を「情感性」として規定しようとする試み。
目次
第3章 内在の内的構造とその現象学的規定の問題―見えないもの(実存主義における状況という概念。存在論の破綻と実在論―「自然と自由」;啓示の根源的本質の隠蔽とその忘却;認識批判。宗教の本質 ほか)
第4章 啓示の根源的な本質を情感性として根本的かつ存在論的に解釈すること(啓示の根源的な本質を情感性として根本的かつ存在論的に解釈すること―情感性と自己性;根源的な存在論的受動性としての情感性と「被ること」におけるその本質の現実態;情感性を触発の根拠として存在論的に解釈すること―「志向的情感性」の問題 ほか)
補論 啓示の根源的な本質をヘーゲルの現出(manifestation,Erscheinung)概念との対比において明らかにすること(現出の本質の問題と引き裂き;存在の一カテゴリーとして解釈された否定性;主観性の疑似‐本質とキリスト教への批判 ほか)
著者等紹介
アンリ,ミシェル[アンリ,ミシェル][Henry,Michel]
1922年旧仏領インドシナのハイフォンに生まれる。7歳の時フランスに帰国し、アンリ四世校に学ぶ。1945年哲学教授資格を取得し、リセで教鞭を取るかたわら国家博士論文を書く。1978年に退官するまで、ポール・ヴァレリー大学(モンペリエ第三大学)哲学教授、同大学名誉教授。小説家としても知られ、ルノド賞受賞作を含む三冊をガリマール書店から出版。戦時中、強制労働局へ徴発されたが、ドイツ行きを拒んで地下に潜行。この「地下潜行」体験はアンリ哲学に決定的な影響を及ぼし、独自の「生の哲学」形成の契機となった。20世紀後半のもっとも重要なフランスの哲学者の一人。2002年7月死去
北村晋[キタムラススム]
1954年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。哲学専攻。早稲田大学、和光大学等講師
阿部文彦[アベフミヒコ]
1955年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。哲学専攻。早稲田大学、明治大学、明治学院大学講師
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