叢書・ウニベルシタス
ニーチェ―その思考の伝記

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  • サイズ B6判/ページ数 436p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588007248
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C1310

出版社内容情報

いわゆる年代記的な「生の」伝記としてではなく,ニーチェの思考の発展のプロセスを跡づけた「思考の伝記」を物語り,ニーチェ世界の一大パノラマを描き上げる。

内容説明

没後百年(2000年8月25日)の記念出版の白眉。単なる年代記的な「生の伝記」としてではなく、その思考の発展の過程を跡づけ、ニーチェの哲学世界の一大パノラマを描き上げる。

目次

二つの情熱、途方もないものと音楽。音楽がなくなったときいかに生きるか。海の怪物セイレン以後の悲哀。興醒め。実験と誘惑。
子供が書く。分かちうるもの(Dividuum)。稲光と雷鳴。経歴を見つけ、でっち上げる。プロメテウスとその他。哲学の初めての試み、「運命と歴史」。理念の大洋と異国への憧れ。
自己検証。文献学の節制。ショーペンハウアー体験。自己克服としての思索。理想化された自然と創造的精神。文献学への懐疑。様式への意志。ヴァーグナーとの最初の出会い。
存在の渦巻。『悲劇の誕生』の誕生。根底の冷酷さ。戦中のニーチェ。奴隷。道徳・対・美的思考。暴動への恐怖。文化の企業秘密の洞察。途方もないものの前の透明陽画と衝立。ディオニュソス的英知。〔ほか〕

著者等紹介

ザフランスキー,リュディガー[ザフランスキー,リュディガー][Safranski,R¨udigar]
1945年生まれ。哲学博士。フランクフルト大学でドイツ文学、哲学、歴史を学び、ベルリン自由大学のドイツ文学科の助手、講師を経て、『ベルリナー・ヘフト』誌の編集者として、ジャーナリズムで活躍。広く成人教育、市民大学にかかわる。カール・ハンザー社の『ドイツ文学の社会史』〔邦訳・法政大学出版局〕やアテネーウム社の『ドイツ文学史』の企画にも携わり、現在は思想家・作家について独特な評伝の領野を切り拓いて活動している

山本尤[ヤマモトユウ]
1930年生まれ。京都府立医科大学名誉教授。専攻はドイツ現代文学、思想史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

8
ニーチェが終始ものを考えていく中に生きたことを鮮やかにかつ共感を持って描き出す、ニーチェ思想についての評伝である。もちろん、ニーチェという途方もない人物についても魅力的に描かれているが、最終章での20世紀の様々な思想に対する彼の甚大な影響について書かれているところは、著者の非凡かつ濃密な知恵が放つ迫力に溢れていて圧倒される。でありながら、全編にわたって読みやすいのでもう絶句した。ワーグナーとニーチェがその藝術観ゆえに惹かれあい、訣別していくプロセスについてはうっとりしながら読んだ。とても楽しかったです。2018/02/06

吟遊

8
ニーチェの思想の発展の軌跡をたどる著。時系列だが、伝記と呼べるほどの事実取材はない。没後100年刊。ニーチェは解釈者によってどうとでも読めてしまうところがあり、また、この本が一般書として書かれたらしい事情もあって、突っ込んだ議論はない。訳のせいか、読みにくさはあるが、難解ではない。ニーチェが「音楽」を愛し、思想や生の根源に置いた点を中心軸に据えているのは、明快。末尾の文章は好きだ。2016/08/27

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