叢書・ウニベルシタス
パンドラの匣―変貌する一神話的象徴をめぐって

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  • サイズ B6判/ページ数 188,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588007187
  • NDC分類 702.3
  • Cコード C1370

出版社内容情報

チェリーニからクレーまで,西洋の芸術的創造のなかで,豊かな想像力と誤解とによって様々な意味を担わされてきた,美しき厄パンドラの変容する運命を物語る。

内容説明

チェリーニからクレーまで、芸術的創造の歴史のなかで想像力と誤解とによって変容しつづける美しき厄パンドラの変身譚。図版71点。

目次

第1章 中世の伝統にみるパンドラ
第2章 ロッテルダムのエラスムスにみる「匣」の起源
第3章 パンドラと「希望」―アンドレーア・アルチャーティ
第4章 パンドラと無知―ロッソ・フィオレンティーノ
第5章 ローマ・プリマ・パンドラ、エヴァ・プリマ・パンドラ、ルテティア・ノーヴァ・パンドラ
第6章 パンドラ、「すべてのものの贈り物」―エリザベス朝時代の作家とジャック・カロ
第7章 ピトイギア―ヘシオドス対バブリオスほか
第8章 ロマン主義、古典主義者、ヴィクトリア朝
エピローグ 演劇にみるパンドラ―カルデロン、ヴォルテール、ゲーテ、および後期古代のアレゴリー

著者等紹介

パノフスキー,ドーラ[パノフスキー,ドーラ][Panofsky,Dora]
アーウィン・パノフスキーの元夫人

パノフスキー,アーウィン[パノフスキー,アーウィン][Panofsky,Erwin]
1892‐1968。ドイツ生まれの美術史家。1934年、ナチス・ドイツから逃れてニューヨークに移り、35~62年、プリンストン大学高等研究所教授。ヴァールブルク学派のルネサンス美術研究の大家で、美術作品の意味を解釈するイコノロジー(図像解釈学)という方法を確立する。20世紀を代表する美術史家

尾崎彰宏[オザキアキヒロ]
1955年、福井県生まれ。東北大学文学部卒業。専攻は美学・西洋美術史。東北大学大学院文学研究科教授

阿部成樹[アベシゲキ]
1962年、京都府生まれ。東北大学文学部卒業。パリ大学美術史学博士。専攻は西洋美術史。山形大学人文学部助教授

菅野晶[カンノアキ]
1968年、北海道生まれ。東北大学文学部卒業。専攻は西洋美術史。青森県環境生活部美術館整備・芸術パーク構想推進室学芸員
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感想・レビュー

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roughfractus02

6
ヘシオドス『仕事と日』では全ての贈り物(パン-ドーラー)の名を持つ女性はπίθος(ピトス/壺、甕の意)を持っていたとある。古代ギリシャでこの容器は善を貯蔵し悪を封じるとされた。この神話をラテン語訳し、pyxis(ピュクシス)なる語をあてたのはエラスムス『三千の格言』(1508刊)である。その後壺は化粧入れを意味する匣'(小箱)に変容し、このエピソードを語る夥しい図像に箱が描かれることになる。絵画は書物等とメディアミックスするメディアであり、メディア自身が解釈を変えるパンドラの箱である、と本書は示唆する。2019/03/27

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