出版社内容情報
社会主義体制の崩壊と迷走する技術 - 資本主義の現状を生の現象学の立場から考察し,現代世界を,価値創造の力を衰退させる「生の危機」の状況として鋭く批判する。
内容説明
社会主義体制の崩壊と迷走する技術‐資本主義の現状を生の現象学の立場から考察し、政治・経済という理念の下に世界的規模で進行しつつある「個人の切り下げ」状況を、価値創造の力を衰退させる「生の危機」の状況として鋭く批判する。
目次
第1章 個人の切下げ
第2章 生きた個人に対立する「社会」、「階級」
第3章 ファシズムの理論としてのマルクス主義
第4章 ファシズムの原理
第5章 生きた個人と「経済」
第6章 資本主義体制における生と死
第7章 死の帝国―技術‐経済的宇宙
第8章 死と政治
著者等紹介
アンリ,ミシェル[Henry,Michel]
1922年、旧仏領インドシナのハイフォンに生まれる。7歳のときフランスに帰国し、アンリ四世校に通う。1945年、哲学教授資格を取得し、リセで教鞭を取るかたわら国家博士論文を書く。1978年に退官するまで、ポール・ヴァレリー大学(モンペリエ第3大学)哲学教授。小説家としても知られ、ルノド賞受賞作を含む3冊をガリマール書店から出版している。戦時中、強制労働局へ徴発されたが、ドイツ行きを拒んで地下に潜行。この「地下潜行」体験はアンリ哲学に決定的な影響を及ぼし、独自の「生の哲学」形成の契機となる。主著に『顕現の本質』(1963年)、『身体の哲学と現象学』(1965年)、『マルクス』(1976年)、『精神分析の系譜』(1985年)、『野蛮』(1987年)、『見えないものを見る』(1988年)、『共産主義から資本主義へ』(1990年)、『実質的現象学』(1990年)、『受肉』(2000年)など
野村直正[ノムラナオマサ]
1954年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学(哲学専攻)。現在、京都産業大学非常勤講師。訳書にM.アンリ『実質的現象学』(共訳)ほか
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