出版社内容情報
同一性・進化・正統化をテーマに,労働と相互行為の両概念を踏まえつつ,パーソンズ,ルーマンを批判・検討し,史的唯物論の進化論的・システム論的転回を果たす。
内容説明
現代の危機と討議的意思形成の論理。労働と相互行為の両概念を踏まえた視点から、マルクス主義の理論的萌芽とポテンシャルを組み立て直す試み。パーソンズ、ルーマンを批判・検討し、史的唯物論の進化論的・システム論的転回を果たした本書は、「コミュニケーション的行為の理論」形成期の思想的営為を示す。
目次
1 哲学的展望(序論―史的唯物論と規範構造の発展;マルクス主義における哲学の役割)
2 自己同一性(道徳の発達と自我同一性;複合的な社会は理性的自己同一性を形成しうるか)
3 進化(社会学における諸理論の比較のために―進化論の例に即して;史的唯物論の再構成に向けて;歴史と進化;近代法の進化的位置価についての考察―研究所内ゼミナールによせて)
4 正統化(近代国家における正統化の諸問題;今日における危機とは何であるか―晩期資本主義における正統化の諸問題;正統化概念のためのキーワード―一つの返答;実践的討議に対する二つの補註―パウル・ロレンツェンの六十歳の誕生日に)