出版社内容情報
18世紀の最も首尾一貫せる民主制理論を展開したカントの,抵抗・革命・国民主権・制度化の概念を精細に分析して,啓蒙のプロジェクトの継続・完成を促す意欲作。
内容説明
カントの民主制理論と近代国民主権原理。啓蒙のプロジェクトは未完であり、現代の組織絶対主義・司法国家的趨勢・専門家支配は民主主義を窮地に追いつめている。18世紀の最も首尾一貫せる民主制理論を展開したカントの、抵抗・革命・国民主権・制度化の概念を精細に分析・検証し、現代民主主義理論の陥穽を衝く。
目次
カントの民主制理論―抵抗権の形而上学から国民主権のポスト形而上学的原理へ(カント受容のジレンマ―現代民主制理解の再封建化;抵抗権と契約カテゴリー;国民主権の法外的次元および抵抗と革命との事実性;抵抗の基礎づけ・行動形態・目標;「緊急権」と暴力;超実定的革命権 ほか)
付論1 カントの制度化理論
付論2 自由権の民主制理論とその諸帰結―政治的諸決定の司法的制御に対して
付論3 法と道徳との分離―法の限界づけの問題として