出版社内容情報
ナチ時代における科学と政治との関わりを詳細に検討し,諸科学がナチズムに積極的に協力した経緯を具体的に暴きつつ歴史記述の重大な欠落を補う告発と警世の書。
内容説明
ナチ時代の科学と政治とのかかわりを詳細に検討し、諸科学がナチズムに積極的に協力した経緯を具体的に暴きつつ歴史記述の重大な欠落を補う。戦争と大量虐殺に血塗られたナチ時代の科学の状況に今日の「科学の時代」の不吉な予兆を探り、科学の危機を告発する。
目次
第1部 「ハードな」科学の政治的日和見主義から…(数学、自然科学と国家社会主義;ドイツの数学状況における政治的諸問題;ファシズムのドイツにおける数学の正当化;ナチの物理学?;一九三三‐一九四五年のハンブルク大学の物理学;フィリップ・レーナルトとヨハネス・シュタルクとの書簡)
第2部 生物学と人文科学のイデオロギー的硬直化へ(国家社会主義と歴史の否定;民族大虐殺の制度的起源;人種的人類学と国家社会主義;第三帝国下の学校生物学と優生学教育;生殖と遺伝学の技術の起源としての第三帝国;科学と生活圏)