出版社内容情報
ドイツ近代社会の病弊を,家父長制社会の「女性悪」の体質に探り,その最後の代弁者としてシュミットを位置づける。青春の師.シュミットへの50年を経た回答。
内容説明
人間の両性性を無視し、〈女性的なもの〉の徹底した排除と抑圧によって成立したドイツの近代―その倒錯し矛盾にみちた精神史・心性史を、シュミットの著作に秘められた暗示を読み解きながら描き出す。
目次
序章 カール・シュミット―あるドイツ的宿命
第1章 軍人と市民
第2章 政治的ロマン主義
第3章 政治神学
第4章 カオスへの不安
第5章 真の敵オットー・グロース
第6章 テオドーア・ドイブラーの『北極光』―カール・シュミットの著作
第7章 政治的なものの概念
第8章 権力の前庭
第9章 トラウマ的状況
第10章 リヴァイアサンとの駆け引き
第11章 ユダヤ人とドイツ人
第12章 海への転向
第13章 ハムレット
第14章 最終劇