出版社内容情報
狂人たちは,社会および収容施設,精神病理学によってどう扱われてきたか。歴史家の視点から狂人たちの自伝を読み解き,時代の反映としての狂気の構図を描き出す。
内容説明
欧米の歴史のなかで、狂人たちは、社会によって・収容施設によって・精神病学によってどう扱われ(虐待され)てきたか。歴史家の視点から狂人(と呼ばれた人)たちの自伝・著作に記された言葉と思想、意識と感情を探索し、時代の反映としての狂気の構図を描き出す。
目次
狂気と精神病学―その対話の歴史
狂気と権力
狂気と天才
宗教と狂気
狂気と女
フールからアウトサイダーへ
ダニエル・シュレーバー 狂気とセックスと家族
ジョン・パーシヴァル 狂気の監禁
アメリカン・ドリーム
セラピーの神
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トリタニ
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過去に狂人と呼ばれてきた者たちの自伝を基にして、著者なりの解釈が展開されている。狂人の言葉にもそれなりの筋道があり、同時代の人々の思想や価値観が反映されている。かつては一般社会の中での生活を許されていた狂人であったが、近世の合理的社会の形成期に至って次第に邪魔者と見なされ精神病院に隔離されるようになった。精神病学が成立し医者による研究が始まったのはその随分後のことである。精神病院とは、一体誰のために創られた施設なのだろうか。
HALCA
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中世から20世紀にかけて狂人(とされてきた人)たちと社会や精神医学との物語 固い文章ながらとても楽しく読める2018/03/14