出版社内容情報
第29回日本翻訳出版文化賞受賞 民衆のくらしに根ざした魔術や占星術,呪いや予言の役割,キリスト教による魔術の取り込み・対立の背景を明らかにする。
内容説明
くらしに根ざした魔術の実態を詳細に明らかにし、キリスト教による魔術の取り込み・魔術との対立の歴史にイングランド民衆生活の変貌を跡づける。ウルフソン文芸賞受章。
目次
環境
中世教会の魔術
宗教改革の衝撃
摂理
祈りと予言
宗教と民衆
魔術治療
カニング・マンと民間の魔術
魔術と宗教
占星術(その実際と広がり;その社会的・知的役割)
占星術と宗教
古来からの予言法
イングランドにおけるウィッチクラフト―犯罪と歴史
ウィッチクラフトと宗教
ウィッチを仕立てる
ウィッチクラフトとその社会環境
ウィッチクラフト―衰退
亡霊および妖精
時と前兆
相互連関
魔術の衰退
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiris
1
1018p+251p2014/11/16
shin
1
イングランドにおける宗教と魔術の受容され方の推移がとても詳しく書かれている。しばしば、大陸と比較に出されているが、大陸の状況を詳しく知らないため、分かりづらいところもあった。資料が足りないためか、結論はまとめきれたなかったが、分析は素晴らしい。2013/09/05
sou65406459
0
イングランドにおいて近世以前の魔術、占星術に対して体系立てて考察したのちに、いかにそれが宗教と対立、融和をしたのちに科学によって歴史と化したかという過程を描いた作品。 なぜ近世以前の人々は魔術や占星術、亡霊などを信じ日常生活においても用いたのか、宗教改革はどんな影響をもたらしたのか...など、切っても切れない宗教と魔術の関連性まで詳細に言及しており、少々長いが読む価値は大いにある。メモを取りながら読んでみていただきたい。結論も綺麗にまとまっている。2019/10/11