出版社内容情報
生涯と哲学の発展と影響をその原像を見失うことなく考察し『純粋理性批判』の簡明な解釈をはじめ基本的な諸問題を入門的に解読,カント哲学の全体像の理解に導く。
内容説明
生涯と哲学の発展と影響を、その原像を見失うことなく説き明かし、とりわけ『純粋理性批判』における理論的認識の簡明な解釈をはじめ、道徳と法の哲学、歴史と宗教の哲学など人間についての基本的な諸問題を入門的に解読しつつカント哲学の全体像の理解に導く。
目次
1 生涯と哲学の発展(先批判期;批判的超越論哲学)
2 何を私は知りうるか。―純粋理性批判(超越論的理性批判のプログラム;超越論的感性論;概念の分析論;原則の分析論;超越論的弁証論)
3 何を私は為すべきか。―道徳哲学と法哲学(実践理性批判;法と国家の哲学)
4 何を私は希望してよいか。―歴史哲学と宗教哲学(法の進歩としての歴史;実践理性の宗教)
5 哲学的美学と有機体の哲学(判断力批判)
6 カントの影響(受容、展開そしてカント批判)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
6
カントの実践哲学の現代的意義を述べるページが多い。でも、僕は、理論哲学、美学、歴史哲学の簡便なまとめのところの方が面白かった。個人的によいところは、それぞれの著作における証明とかプロセスを重視しているところ。今から、カントはこういうことします。それはこれとこれとこれからなります。みたいな書き方は自分には合っていた。その一方で、ヘッフェにとっての〈現代の立場〉と比較してカントを正当化するところは、時代も場所も違うからか興味を引かなかった。伝統的な法哲学、倫理学のモチベーションに共感がある人はまた違うのかも。2016/02/11
哲仮面
1
初版は1991年。2007年に「今、よみがえる現代の古典」として叢書・ウニベルシタスの精選復興。カント哲学全般に関する本格的な入門書という感じ。2009/04/28