出版社内容情報
プルースト論に〈顔面性特徴〉〈リトルネロ〉という絵画的・音楽的概念を導入し,独自の〈スキゾ分析的語用論〉を展開しつつプルースト的エクリチュールを解読する。
内容説明
『失われた時を求めて』の解釈に、抽象機械・アジャンスマン・リゾーム・横断性等々独自の〈機械状学〉の諸工具を駆使し〈スキゾ分析的語用論〉を展開しつつ、《顔面性特徴》〈リトルネロ〉という絵画的音楽的概念を導入、プルースト的エクリチュールを解読する、ガタリのプルースト論。
目次
第1部 機械状無意識(序論 ロゴス、それとも抽象機械か?;言語から外へ出る;発話行為アジャンスマン、変形、語用論的領野;シニフィアン的顔面性、図表的顔面性;リトルネロの時間;スキゾ分析のための基準標識;諸記号の分子的横断)
第2部 『失われた時を求めて』のリトルネロ(記号論的虚脱としてのスワンの恋;1つのリトルネロに対する9個のアジャンスマン;機械状諸属領性物)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
5
ちょっと天才的電波過ぎてついていけない。『千のプラトー』で展開されることになる語用論、アジャンスマン、顔面性、図表、地図作成、抽象機械の問題を途方もなく込み入った文体によって記述。しかし主張のロジックは本来性と非本来性を論じるハイデガーのように、難解な表現にもかかわらず、顔貌性のモル的資本主義的シニフィアン的な主体化領土化作用(負の効果)から機械状の分子的スキゾ的創造的な集団的アジャンスマンの地図作成(正の効果)への移行を如何に遂行するかという点に集約される。リトルネロの観点によるプルースト論も興味深い。2014/04/16
磊落のい
1
1979年発行。三作目の単著。2017/02/03