出版社内容情報
相互準拠にもとづく諸科学間の新たな関係=現代百科学の可能性を多角的に探求し,ライプニッツの理想を現代に蘇らせる試み。綜合的な科学的精神の出発を告げる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひばりん
8
準拠-参照(reference)を干渉(intereference)の概念に置き換えること、つまり準拠する側とされる側の区別を排して、相互参照だけが可能な論理空間を構築する本。セール自身が繰り返し述べるように、これは人文学の位相空間化であり(位相空間論が現代数学における抽象化の始まりだといわれることを踏まえれば)哲学の抽象化の試みだ。シェーンベルクがバッハを研究したように、セールはライプニッツを抽象的に再記述する。そういえばシェーンベルクもセールも共にバルザックの形而上学を愛したひとだ。2021/10/09