内容説明
「中国模式」―その意味するところは、中国独自の発展モデル、発展基準、発展方式。中国ではいま、この言葉が流行し、政治指導者も発言のなかで頻繁に用いている。アメリカを急追するアジアの覇権国家の内実を知るには、この「中国模式」について知る必要がある。生活、ビジネス、経済、政治、外交に関して、中国模式―その等身大の姿を伝える。
目次
第1章 過渡期の中国社会―生活編(住宅事情;交通事情)
第2章 対中交渉の極意―ビジネス編(中国で働くということ;中国企業とどう付き合うか)
第3章 「昇龍」のゆくえ―経済編(経済成長はどこまで続くか;富裕層と庶民層;国有企業と民有企業;共産党が描く青写真;人民元国際化)
第4章 「中南海」の実相―政治編(独特の政治システム;派閥と権力争い;習近平政権のゆくえ)
第5章 アメリカにどう挑むか―外交編(暗中模索のG2時代;米中冷戦の勃発;通貨戦争;絶えない火種)
著者等紹介
近藤大介[コンドウダイスケ]
1965年埼玉県出身。89年、東京大学教育学部卒業後、講談社入社。『現代』『週刊現代』副編集長などを経て現在、講談社(北京)文化有限公司に出向。2008~09年、明治大学講師(東アジア論)。講談社のネットニュース誌『現代ビジネス』に「北京のランダム・ウォーカー」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
26
アメリカン・スタンダード対中国模式。米ソ二極時代が崩壊し、21世紀になってからは中国が台頭。わが国をGDPで抜いて以降は、米中冷戦の様相を呈している。成長が続けば、2020年代にはGDPで米国を抜くと予想され、世界はあらゆる問題で、この二国との調整を避けられなくなる。ところが、経済は成長させるより減速させる方が難しい。一党独裁ですべてを決定し、軍事力で資源を確保し、環境を破壊し、洪水のように輸出するモデルは長くは続かない。過去の王朝のように崩壊するか、社会を持続できるか中国の知恵が試される時期がきている。2015/03/10
Hiroki Nishizumi
2
まさに衝撃。とてもついて行けそうにないと感じた2023/02/11
RYU
2
北京の講談社文化有限公司副社長を3年間務めた著者が、その実体験・観察眼から、生活・ビジネス・経済・政治・外交の5分野の中国模式(チャイニーズスタンダード)を読み解く。中国人の世界観は「天と地と人」から成る。「人」は「我」のことで、天と地に直接繋がった「人」(我)は、中国社会が個人主義に立脚したものであることを表しており、その個人主義は殆どカネと結び付いている。アメリカンスタンダードV.S.中国模式が21世紀型の覇権戦争。2014/11/08
Kakeru
2
中国人の行動原理から、今後の国家の展望まで非常にわかりやすく解説している。中国の政治・経済・外交などを知るための入門書にぴったりかと。2012/12/28
いちろ(1969aMAN改め)
2
かの国が好きな人も嫌いな人も、と著者も言っておりますが、バランスよくかの国を見たよい本だと感じました。むしろどちらとも思っていない、関心ないし、という人ほど読むべき本なのかもしれません。難しい国で、愛すべき国のような気もします。主張、方針の無いわれわれが肩を並べようなどとは思ってはいけませんね。彼らは先へ行く。そのとき我々はどうすればいいのかを考え「始める」には良いきっかけとなる本だと思います。小説ばかり読んでいるので、ニュース、ソースの新しさに目から鱗が落ちました。今、読め、これが新書なのですね。2012/03/01