感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なおこっか
4
沢木耕太郎が本書を手に、番町から九品仏まで歩いたとのこと、なるほどこれは面白い。該当の箇所、世田ヶ谷三軒家(三戸ともに酒飯をあきものとす、の付記あり)、世田ヶ谷宿新町、用賀村と辿っていくのを、おおー、と現代の半蔵門線に乗りながら感嘆する己。多摩川に着くと、昔を偲びながら蓬を摘んでみたり、老いてふらふら歩いているなんて言われるのが癪で日々しゃきしゃき出歩く清水徳川家の旧家臣である嘉陵翁、数えで72、可愛い。木場から船で川崎大師へ、なんて旅も楽しそう。手描きの地図がついているのも善き。2022/10/09