内容説明
1941年、日本軍収容所から脱走した一人の捕虜が漂着したハイアイアイ群島。そこでは鼻で歩く一群の哺乳類=鼻行類が独自の進化を遂げていた―。多くの動物学者に衝撃を与え、世間を騒がせた驚くべき鼻行類の観察記録。
目次
序論
総論
各グループの記載(単鼻類;多鼻類)
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
107
これはとんでもない奇書。大学時代に読んだ時は、冗談なのか、本当なのかマジで迷いましたよ。だって、今は絶滅した鼻で歩く動物ですよ!ある訳ない?でも象も鼻は手のように使えるしなあ、ひょっとしたらいたかも…。おまけに、翻訳と巻末の解説はあの有名な動物行動学者の日高先生だし。ビックリ度とやられた感はこれまでに読んだ本の中ではNo.1でした。日高先生のエッセイにもこの本の話が出ていて懐かしく思い出しました。★★★★
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
99
☆5.0 ほんとこの馬鹿馬鹿しさにはトコトン笑わされる。「こんな奇妙な生き物が地球上にいたのか!」1941年、日本軍収容所から脱走した一人の捕虜が漂着したハイアイアイ群島。そこでは鼻を使って歩く哺乳類=鼻行類が独自の進化を遂げていた。何処までが本当で何処からが嘘なのか?大真面目に動物学者の論文の体でその生体が参照イラストや解剖図付きで記録・研究されているので、実際こんな動物がこの世界に存在するのだと錯覚?を起こしてしまう。いやいや、間違っているのは私の方で実際この動物は存在しているのも。2021/03/23
マエダ
73
表紙を見て手にした時は衝撃であり、まずは実在するのかの確認を最優先とした。1957年までハイアイアイ諸島に棲息していたが核実験により島ごと跡形もなく絶滅したとのことだが。なんとも胡散臭いが、嫌いじゃない。色々調べてみたがどうもフィクションのようだがそれにしたら本書の内容はとても手の込んだものである。2016/02/12
おいしゃん
70
シュテンプケという謎の教授が記した、ハイアイアイ群島という幻の島に生息した、多機能を備えた鼻で動く謎の哺乳類「鼻行類」についての論文。鼻で歩くというスタンダードなものから、鼻は花びらになっていて長い尾が茎となり、植物にしか見えない類まで詳細に、そしてただ一点を除き、極めて真面目に論じられている。その一点は、全てがシュテンプケ教授の空想の世界、あるいは読者が受けるイメージの世界での話だ、という点なのだが。良い気分転換になる一冊。2015/07/24
Koning
37
かの有名な鼻行類。いつの間にか平凡社ライブラリーに入ってたでござる。図版が小さいこと以外不満の抱きようが無い。しかし何度読んでも脱帽2021/09/27