テオリア叢書<br> オリエンタリズム

テオリア叢書
オリエンタリズム

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  • サイズ A5判/ページ数 424p
  • 商品コード 9784582744026
  • NDC分類 220
  • Cコード C0320

内容説明

オリエンタリズムとは、東洋に対する西洋の思考と支配の様式をいう。オリエントに関わる厖大なテクストの犀利な分析を通して、近代ヨーロッパの思想の構造を根底から批判する。ヨーロッパ近代の知と支配の構造を撃つ問題の書。

目次

第1章 オリエンタリズムの領域(東洋人を知る;心象地理とその諸表象―オリエントのオリエント化;プロジェクト;危機)
第2章 オリエンタリズムの構成と再構成(再設定された境界線・再定義された問題・世俗化された宗教;シルヴェストル・ド・サシとエルネスト・ルナン―合理主義的人類学と文献学実験室;オリエント在住とオリエントに関する学識―語彙記述と想像力とが必要とするもの;巡礼者と巡礼行―イギリス人とフランス人)
第3章 今日のオリエンタリズム(潜在的オリエンタリズムと顕在的オリエンタリズム;様式、専門知識、ヴィジョン―オリエンタリズムの世俗性;現代英仏オリエンタリズムの最盛期;最新の局面)
オリエンタリズム再考

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

42
1977年の名著は、脳みそから汗が出る難解本でした‥。斜め読みで掴んだ主題は、東洋(オリエント)の概念そのものが西洋(オクシデント)の思考形式がつくった偏った見方。世界に多くの偏見と蔑視とステレオタイプ的な社会的過誤を生んできた。パレスチナ人である著者だからこそ持てる視座です。東洋人である私たち日本人も、この西洋知の系譜のオリエンタリズムにどっぷり毒されています。だからこそ、昨今のテロを巡る世界の混乱もアラブ対欧米という単純な二項対立の図式に落とし込まずに、両方から物事を見る視点が必要ですね。2017/04/04

有沢翔治@文芸同人誌配布中

8
今まで憧れの対象として見ていた東洋。だからこそ西洋人は東洋について知りたかった。しかし、その「知る」という行為の根底にあるのは征服である、とサイードは指摘しています。僕は東洋に限らず「知る」ということは支配したいという気持ちの現われだと思います。例えば西洋人は自然哲学をはアラブ諸国から学びましたが、自然を制御したいという願望の現われです。そして、自然哲学を手にいれ、物理学として発展させた西洋人が次に制御しようとするのは……。2017/07/23

SQT

3
2段組でやたら長い。「オリエント」がそもそも西洋が恣意的に設定した心象地理で、「オリエント」自身は語る言葉を持っていなかったという話。「オリエント」の表象のされ方は原理主義に基づいた危険なもの、多様性を無視してイスラムで一括りにされたうえでの非理性的なもの、そしてそれゆえに西洋が啓蒙しなければならない存在というもの(特にイスラムは教徒が語ることができない宗教なため)、性的奔放に基づいたロマン主義的なもの、など。そしてオリエンタリストがこれら「オリエント」表象を一手に握っているという権力構造の存在。2017/02/01

ふたば

1
めも:p56 アイスキュロス『ペルサイ』とエウリーピデース『バッカイ』//p71 オリエントないしイスラムとの関係を演劇における衣装と登場人物の関係に例える(コンメディアデッラルテのアルレッキーノ)//p291 キプリングの描く「白人」2013/08/01

YN

0
サイードによるオリエンタリズムについての書。 オリエンタリズムとは、オリエントに存在するものではなく、それについて西洋が作った幻想である。しかし、その幻想は長いこと反駁を受けることなく維持され、それがまた西洋の東洋に対する認識を再構築した。 帝国主義が広まる中で、西洋が見ていたものとは、東洋ではなく、彼らの内部に存在するロマンティックな“オリエント”に他ならなかった。

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