内容説明
多文化混淆の新しい世界システムを指し示す記念碑的マニフェスト。3人の代表作家が謳いあげる、高らかなクレオール性礼賛。
目次
内観と自己容認へ向けて
クレオール性(口承に根をおろす;真の記憶の現在化;実存の主題系;モデルニテへの突入;言葉の選択)
不断のダイナミスム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
14
同化政策によって植え付けられた西欧的価値観とその反動としてのネグリチュード、この二つの外在性にとらわれているすべての住民へいま一度己れの“内観”を作り直し「クレオール性」を発露せよと謳うアンティル文学第三世代による宣誓書。読んでいてつぶさに感じる矛盾や不透明さにあえて飛びこみ紡ぎだしていく彼らの言葉の中にこそマングローブの如き“複雑さ”というアイデンティティが見えてくる。「楽観的過ぎる」からはじまる諸々の批判はあるにせよ、「クレオール性」とはひとまず共生願望の表明、多様性の擁護であることには変わりない。2012/06/21
☆☆☆☆☆☆☆
0
クレオール性とは「保持された多様性に対する非全体主義的な意識」(p42)。現実はそう簡単じゃないとは思うけど、多幸感に満ちた高らかな宣言は心地よいです。2012/08/31
pddk
0
後半カッコイイ。さて、セゼールのネグリチュードをまとめなければ。2008/12/05