内容説明
人類はなぜ神殿/寺院を建てるのか。古今東西の遺構を巡りつつ、そのコスモロジー、シンボリズム、元型的意味を探求した聖地の博物誌、図版130点(カラー15点)。
目次
神殿の多くの名称
山
天上のモデル
神聖幾可学
マンダラ
宗教儀礼
神殿における儀礼劇
命の館
秘匿
墓所としての神殿
図版
資料図版とその解説〔ほか〕
感想・レビュー
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evifrei
12
資料集。各地の神殿と神殿で行われた儀式を概観することで、聖なる場所に対する精神的文化的背景を描き出す。儀式は一定の所作に基づき行われるが、それに反した振る舞いがなされる事は災厄を招来することに繋がる。同様に、神殿の建築様式も天界のシンボリズムを反映した神聖幾何学に厳密に基づいたものでなくてはならず、神聖幾何学に反した建築様式で神殿が建設された場合にも災厄がもたらされると信じられてきた。洋の東西を問わずこうした観念が存在したようだ。神殿の建築様式に神を宥める意味も包含されていたのが興味深い。2020/02/16