感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
68
児童書。小4の喜一のうちは念願の庭付き一戸建てに引っ越し。お姉ちゃんもお母さんもお父さんも、トイプーのダイアもご機嫌な毎日を送っていた。だけど長野から急におばあちゃん(きわ子さん)がやってきて同居することになる。気のいい喜一は自分の部屋を譲る。きわ子さんは大きな花柄のワンピースを着てさっそうと現れ、スマホを使いこなし毎日お出かけして、話題のお菓子をお土産に持って帰ってくるパワフルなおばあちゃんだった。あっけにとられる喜一は、出かけるきわ子さんを尾行する。▽明るくていい話だった。2020/06/25
しゃが
57
よかった、いとうみくさん。一人っ子の父、核家族を念頭の母、しっかり者の姉、姉に頭が上がらない喜一は、祖母がやってくることに…。不安のなか、部屋の捻出から一母のセリフに笑ってしまった、「おかあさんだって一人部屋なんてもっていないのよ。寝室だってずーっとお父さんと同じなの!…」。来た祖母に驚くことばかり、読み手も意外な展開に愉しく教えられることばかり。お墓に通じていたが、家族も生きがいも拠り所になっても縛られるものではないのだ。子どもたちは家族への思いや水引の意味とか感じるだろうが、おとなにも読んでほしい一冊2020/06/09
とよぽん
51
読友さんのレビューに誘われて、いとうみく作品初読み。新聞連載をまとめたものという割には短い物語。でも、きわ子さんのパワフルで前向きな生き方に、孫の4年生喜一や家族の皆が目覚ましい刺激を受けてシャキッとしてくる。ごきげんな毎日を送るきわ子さんのようになりたい。2020/08/18
papapapapal
50
人生は何が起こるかわからない! どんな状況からでも、自分の人生は自分の力で動かすことができると信じさせてくれる良作。突然「やっかいになりたい」と、長野の田舎から東京の息子夫婦宅へやってきたおばあちゃん。派手なワンピースや「きわ子さん」という呼び名など、イメージとは大きく違うおばあさん像に、はじめは困惑気味の子どもたち。やがて知ることになるおばあちゃんの斜め上をいく秘密には、夢がいっぱい♪2020/07/26
ぶんこ
49
アパートから庭付き一戸建て3LDKに越してきてルンルンの一家。そこに長野から祖母が「やっかいになりにきました」あたふたする一家。いつも着物姿だった祖母が派手なワンピースにサングラス。毎日出かける行き先を探ろうと姉弟が後をつけると、そこは病院。亡き祖父が、水引職人に引き合わせたスペイン人のハビエルさんが入院していたのです。スペインに水引を拡めるために帰国するハビエルと一緒に行く祖母69歳。なんと若々しい精神のおばあちゃん。祖母との同居でとりこし苦労をする一家は肩透かし。いかに生きるかを考えさせられた児童書。2023/04/07