内容説明
人形町の小料理屋女将お蓮が急死したとの報せを聞き、蜻蛉屋こと通称とんぼ屋のお瑛は、慌ててお蓮宅に駆けつけた。彼女は店の上得意なのだが売掛金が滞っていたのだ。残金回収のために奔走するお瑛。夏やせから来る急な病いとは本当なのか?真相はどこにあるのか?やがて浮かび上がってくる男の影…。サスペンスミステリの名手が豊かな叙情と推理で男と女の危うさを描く。書き下ろし時代小説。
著者等紹介
森真沙子[モリマサコ]
奈良女子大学文学部卒業後、雑誌、週刊誌の記者を経て1979年『バラード・イン・ブルー』で第33回小説現代新人賞を受賞し、文壇デビュー。以後、近代史や現代史に材を採ったミステリー作品で活躍し、近年では中世、古代史にも範囲を広げ、歴史推理や歴史伝奇作品を精力的に発表し、読者層を広げている文壇女流の文字どおり実力派である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はにこ
33
今回も色々なトラブルに巻き込まれるお瑛さん。その中でも手紙のやり取りで話が進む、「萩花の寝床」と幽霊話の「行き暮れて、紅葉」が面白かった。その他の話もなかなか良かったけど、どうもお瑛さん以外のキャラクターがやや弱いんだよなぁ。トラブルに顔を突っ込むのも良いけど、蜻蛉屋の営業も頑張って下さいよ、お瑛さん。2021/09/26
あかんべ
4
珍しく怪談話があった。ぞくっとした。今後おえいさんのお父さんの話はあるのかな。2016/12/05
藤よい
3
シリーズ3作目。花にまつわる6話。いろいろ巻き込まれたり、首を突っ込んだりと忙しいお瑛さんにも慣れてきて、おもしろく読んでいます。お瑛さんの周りでは次から次へと色んなことが起きますが、お店の商売は大丈夫かしら…。2021/03/15
Suzu
1
日本橋物語シリーズ第3弾。第三話萩花の寝床や第五話行き暮れて、紅葉は何というか不思議な世界の話。嫌いではない。第六話雪の山茶花はお春はその後何事もなかったように過ごすのだろう。父親に腹を立てることもなく、これで良かったんだと思うのだろうか。そして次巻に進む。2021/07/21
ひさか
1
2008年3月刊。文庫書下ろし。シリーズ3作め。6話の連作短編。市井もので、興味深い話や面白そうな登場人物が出るものの、話の運びが楽しくなくて、疲れます。推理あり、ホラーめいた話ありと趣向は、良いのに残念です。2015/03/18