内容説明
軽微な罪で入牢していたおまちという女が、娑婆に出てまもなく、本所堅川の土手で無残な遺体となって見つかった。検死に立ち会った女医桂千鶴は、堅川土手には咲いていない一輪の花をおまちの遺体から発見する。さらには草履の底に星のような白い砂が付着していた。医学館の教授方であった桂東湖の遺志を継いで、女医となった千鶴の活躍を描く好評シリーズ第八弾。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。小松左京主宰「創翔塾」出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
30
相変わらずの安定感。問題が起きる→医療の腕を生かして活躍→事件解決。の流れは変わらず。今回は表題作月の雫に若干のミステリ要素あり。でも伏線の張り方としてはやや矛盾があるのでやっぱり江戸時代女性活躍譚といったところです。千鶴先生と求馬様のお互い好き合っているのにくっつけない関係は傍目に見たら微笑ましいのだけれど、やっぱりもどかしいからはやくくっついて幸せになってくれるといいんだけどなー、と思います。2011/12/11
calaf
14
両親の仇、恋人の仇、そして・・・人情は、江戸時代も現在も、そうそう大きくは変わらない・・・2014/12/24
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
シリーズ第8弾は短編3つ。女医千鶴と救馬の関係は相変わらず進展しない。この二人出会ってから随分経つがいったい幾つになったんだろう(w) それにしてもTV時代劇のような話ばかりで、さらりと読めるのは良いんだがシラフで読むとチト物足りないなぁ。2013/11/09
うみろー
2
求馬との仲が進展しないのはもどかしい。皆待っているのになぁ。2012/04/02
かおぷー
2
いわゆる、ザ・時代劇。キャラクターやストーリーにもう少しひねりがあればもっと面白くなりそうなのにな。読者の想像の範囲を超えないので、読了感の手応えは若干残念な感じ。あまり読書で心をかき乱されたくない人、時代劇が好きな方には良質な一冊だと思います。2012/01/10