• ポイントキャンペーン

誰かが足りない

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575237412
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

予約を取ることも難しい、評判のレストラン『ハライ』。10月31日午後6時に、たまたま一緒に店にいた客たちの、それぞれの物語。認知症の症状が出始めた老婦人、ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない青年、人の失敗の匂いを感じてしまう女性など、その悩みと前に進もうとする気持ちとを、丹念にすくいとっていく。

内容説明

足りないことを哀しまないで、足りないことで充たされてみる。注目の「心の掬い手」が、しなやかに紡ぐ渾身作。偶然、同じ時間に人気レストランの客となった人々の、来店に至るまでのエピソードと前向きの決心。

著者等紹介

宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選。07年、初の単行本で書き下ろし長編の『スコーレNo.4』が発売されると、たちまち評判となる。人の心の内をきめ細かに掬いとった作品は多くの支持を得、今もっとも注目される作家のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

473
失敗は病じゃない。転換点は「書かない表現」の先にある?誰でも欠けた部分や人があり、どこかでそれを補おうとする。宮下は静かにそれを描く。偽物がトラウマの男、認知症の女性、「尻拭い要員」の女性、母の死でビデオが「ライナスの毛布」になった男、オムレツを作り続ける男、「失敗の匂い」が分かる女性。彼らが化学反応を見せる。予約が取りにくいレストラン、ハライ。短編のようでいて、そこに集う人たちがクロスすることに意味がある。本屋大賞12年7位。大賞は「舟を編む」だった。「死に至る病」からの脱出を手助けできる一冊。2019/09/15

修一郎

395
重たい手術の合間に軽い本を、と思ったけどエピソード自体は軽くなかった。様々な理由で人生がうまく行かなくなってしまった人たちを描いてる。6話あるが救いがあるエピソードの方がいい。ハライはトルコ語由来らしい。私鉄沿線っぽい駅前にある、洋食屋さんのつもりで読んだけど、洋食屋さんで予約が取れないってのもねぇ、と思いながら読む。一気読みしちゃったけど、一話づつ、味わって読むのが正解。2014/03/08

とら

390
”偶然、同じ時間に人気レストランの客となった人々の、来店に至るまでのエピソードと前向きの決心”―帯より引用したあらすじ。こういう連作短編って、最終的に例えばこの作品なら、「サライ」側から見た話とかを描いたりするものなのだけれど、それをしなかったことにまず天晴と言いたい。そして、それをしなくても、物語としてはこれ以上ないほどにまとまっていることに対しても天晴。むしろ「サライ」側から見た話を描いていたらクオリティが下がっていたかもしれない。本屋大賞にノミネートされていなかったら読まなかったと思う。ありがとう!2013/11/09

もりやまたけよし

377
誰かがいないのが気になる人にまつわる話。いじめっ子を撃退してくれたヨッちゃん、失敗の匂いのしたおじさん、ひきこもりのお兄ちゃんとか気になる人の話でホッとしました。2020/11/29

takaC

372
10月31日午後6時5分前までの話。当日のレストランハライでのシーンは読み手のご想像にお任せ。2013/02/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4237775
  • ご注意事項